第19話

「あの質問大丈夫ですか?」


先ほどよりもウキウキしたような気がするミィスさんには質問しやすいな。


「はい。なんでしょうか?」


「たとえばなのですが、ダンジョンなどで手に入れた武器や素材、また採集で手に入れた素材などがあるとします。その場合他の必要されてる鍛冶屋や商人などに卸した場合どうなりますか?また、冒険者ギルド以外にもギルドはありますか?」


うっと、嫌そうな顔をしながらもしっかりと答えてくれる。


「はい、商人ギルドと魔法ギルドや薬師ギルド職人ギルドなどがございます。彼らに直接下す場合は冒険者のランク付けにポイントは入りませんがその時々によって需要があったりするので高値で買い取ってもらえる場合もございます。


 ですが、冒険者ギルドは不当に安く買い取ったりしているわけではありませんのでそこはご了承下さい。


また、いい素材が上のものにしか流れずに下のものが育たないなどという状況を救済するために駆け出しの職人や薬師に素材を下ろしたりもしていますのでなるべく冒険者ギルドにおろしていただきたいです。」


「わかりました、どれだけ活躍できるかは分かりませんができるだけ頑張ります。それとダンジョンについてよく知らないのですが教えて頂けますか?」


今回は困ったような顔をせず朗らかに笑って答えてくれる。


「ダンジョンとは、シダリア山脈を挟んで向こう側魔族と呼ばれるものが住むもの達の中から選ばれたダンジョンマスターが運営管理しているものと伝わっています。


 彼らは無から有、魔法で生み出した土や石とは別にしっかりとした鍛治のされた武具や魔法の道具や武具、貴重な素材などを設置してくれているものです。


 我々人族やエルフなどこちら側の民はダンジョンに入りダンジョンを守護するモンスターを倒しながらお宝を探してダンジョンに潜ります。


 もちろん死んでしまう可能性もありますがリターンが大きくポイントも加算されやすいので冒険者達はこぞってそこを目指しますね。


 ダンジョンの詳しい仕組みについては未解明な部分が多く向こう側から侵攻されることはないので基本的に最深部まで到達したとしてもそのまま帰ってきます。

 ダンジョンを制御するコアというものが稀に見つかったりしますが勝手に破壊などを行うとその国家の資産を奪ったとして厳罰になるのでお気をつけください。」


ん?どうやら聞いていた話と食い違う件があるな。ちょっと探りを入れてみるか。


「我々人族やエルフではコアを使うことはできないのですか?自分たちの管理下におけばそれこそほしいものが取り出せるのでは?」


「 もちろんそういった考えを持った方達がいるのは確かです。ここでは無い国では異世界から勇者を召喚してあちら側の領土を切り取り支配下にする事で国力をあげ、周辺国より上に立とうとしています。


 そして、あわよくばあちら側の上層部を征服して先ほど考えたようなことを実施しようとしているらしいです。ですが、今まで侵攻してこなかったからといってこれから逆襲される可能性もあるのです。


 実際スタンピードと言ってダンジョン内のモンスターをからずに宝物だけを盗み逃げる輩ばかりが集まったダンジョンではモンスターが外まで溢れてきて街が壊滅したという御伽噺があるくらいです。


 我々エルフでは御伽噺ではなく実際に経験したものの体験談として語られるので常識ですね。


 それに噂の域をでないのですが、ダンジョンマスターと取引をしている国もあるそうですよ。眉唾物ですがね。


それとは別に国家がダンジョンの近くにできた例もあります。お隣のサウジール帝国などは、世界的に大規模なダンジョンを都心に保有する国です。ダンジョン資源によって国に強い兵士や武具、豊かな素材を商人達に売り捌き一大勢力を誇っています。」

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