第8話
「ゴブ太とゴブ蔵の持ってきた獲物はどんな感じだ?」
そう言いながら鑑定を通していくと。
野うさぎ ウサギ。食用可能。
ホーンラビット ウサギの魔物 ツノが鋭くその突進力で新米冒険者を脅かす。お肉も美味しい。
一匹ツノが鋭いウサギがいた。こいつのツノで何かできそうだな。
「魔物っぽいウサギもいたので倒してきたゴブ!血抜きもしてあるゴブ!」
「よくやったな!美味しいらしいぞ。二人とも枝も持ってきてくれたみたいだし外で焚き火して焼くか。」
「やったーゴブ!」
俺は外で焚き火の準備をしながら新しく召喚したmobゴブリンを配下に説明。そしてmobは配下のいうことを聞くように言いつけた。ゴブ太達がいうには彼らには、美味しいとかの概念はないらしいので生肉のまま渡しても大丈夫なようなので、内臓やスジなどの部分を渡しておく。そうするとガッついて全て平らげてしまった。そのまま寝床に戻らせておく。
そうこうしている間に肉が焼けたみたいでみんなで初の食事を取った。やはり、野うさぎよりもホーンラビットの方がおいしい。それに臭みとかもすくなかった。みんなもそのように感じたようで美味いといいながら平らげた。余った分は腐らないようにダンジョンの下の方にあるひんやりとする部屋に保管しておく。
することも無くなってしまったのでそれぞれ寝床に戻った。俺は明日は集めてきてくれたアイテムで錬金、生産をしてみようと思う。待っている間に土魔法で粘土質の鍋やすり鉢を作り火魔法で固めたもので少しやってみてスキルが生えて来なかったらチケットを使って錬金を取る予定だ。
その次の日は山側に向かって配下達と鉱石探しだな。すやぁ。
んっ。目が覚めて起きてみると地下で寒いはずなのに何故かあったかい…。隣を見てみるとヒナコが一緒になって寝ていた。
「おい、ヒナコ朝だぞ。」
少し揺すって起こしてあげる。
「あ、おはようございますです。」
「おはよう。」
俺は水魔法で水を出し顔を洗う。そういえば風呂入ってないな。水魔法と風魔法の混合でなんとかならないかな。過程をイメージしてみよう。体の表面の垢や髪の汚れを水魔法でふやけさせて分離させる。そして汚れた分を水の球体にして放出。体に付着した水滴や水分を風魔法に火魔法を合わせて温風で乾かす。これを一気にやる。よし。水を捨てる穴を土魔法で少し深めに掘って。
「ウォッシュ」
思い描いた通りに魔法は発動して穴に水は落ちていく。これでよし。配下の三体はどうしてるかな。
「おはようございますゴブ!今日はどうすればよろしいゴブか?」
「基本的には昨日と同じで、少し範囲を遠めにしてくれ、どんどんエリアを広げてくイメージだ。午後からは昨日みたいに採取と食料集めを頼む。」
「了解ゴブ!」
さて、俺は昨日用意したなんちゃって錬金道具と薬草達で何か作るか。あ、作ったものを入れておく容器を作らないとな。土だと変なものが混ざりそうだし、竹とかあるわけじゃないしなあ。ガラスとかより分けられないかな。土魔法の応用的な感じで。粘土を想像で出せたなら地中からガラスになる砂を集める。そして、それらを固めるイメージで…。
うまくいかないな。砂の塊ができるだけだ。
あ、火魔法で熱を上げて溶かして固めるイメージはどうだろうか。砂を熱して溶かして形を作り一瞬で固める。
「できた!!!」
理科の実験で使うような容器を作り土の粘土でできた入れ物に立てかけていく。とりあえず10本だな。ここから目指すは回復用のポーションだ。人族との交易でも使えるはずだし自分達でも使える。
用意しておいた鍋を置物の上に置いて下に昨日余った枝をおき準備する。そして、すり鉢と石棒を使い。まずは薬草をゴリゴリする。粉末状にしようと思ったがぐちゃぐちゃになって緑の汁が出ただけで思っていたのとは違う。乾燥がいるのかな。風魔法と火魔法で乾かすイメージで薬草を一本乾かす。そして鑑定をかけてみると。
薬草[乾燥] 薬などに使われることが多い薬草の粉末の元。
よし!やっぱりこれが正解かな。一応生の方でも茹でたり混ぜたりはしてみよう。半分は置いといて残り半分を乾燥させる。そして粉末状にしていく。
ゴリゴリゴリ そして鑑定。
薬草[粉末] 粉末状になった薬草 様々な用途に使用可能。保存力高め。
鍋に水魔法で出した水を入れ粉末を加えて熱して混ぜていく。見た目は薬草の緑色をしており、草の匂いが凄い。ある程度にたってきたところで火から鍋を離して冷ましながら鑑定をかける。
薬草を混ぜた水 ポーションとまではいかないがほんの少しの回復効果を見込める。
んー、何がいけないんだ。とりあえずこれは一つビンに入れておく。容器に入れるのは完成品だけにしておこう。
次は水を沸騰させてから薬草の粉末を入れさっと、冷やして鑑定してみる。
薬草を混ぜた水 ポーションとまではいかないが本当にほんの少しだけ回復効果がある。
なんか、品質が劣化してるんだが。うーーーーん。一から煮出した方が成分はよく出るから効果が高いことがわかった。一応ステータス一覧にあるメモ帳にメモっておく。
他のプラス作用がありそうな素材。キノコを粉末状にして1から一緒に混ぜてみる。できたものがこちら。
ポーション 一般のものより回復量がとても少ないもの。味はお察し。
一応、ポーションと言えない事もないものができた。薬草ひとつだけだといけないみたいだな。と、ここでステータスを見ているとNew錬金lv1が生えていた。
錬金 素材を加工し他のものへと変化させるスキル。スキルを使わないとできない作業や、スキルを使う事で安定した品質で大量生産ができる。しかし、手作りよりも品質は良くない。
なるほどな、普通の生産スキルとは別枠みたいな感じだな。鍛治などだと鉄を叩いてナイフを作ったとする。スキルがあればナイフとなるが、無ければ鉄のナニカとなりアイテム判定にはならない。ちゃんとしたものを作れないのだ。これは、こちらの世界に来た時に頭に入ってきた内容だ。
だが、この錬金スキルは素材を加工する。つまり、鉄をナイフに錬金などはできないという事だ。もしかしたらレベルを上げればできるのかもしれない。後半の文字だけを見た場合はだが。やはり、好きな風にスキルを取ってシナジー調べられるのは強みだな。人の街に行ってないからどれほど文明が進み、スキルが解明されているかはわからないが大きなアドバンテージとなるだろう。
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