第17話

 俺たちは目的地である旅館“柳”に到着した。ここにもう一人俺たちより先に着いた整光騎士がいる。まず彼に会いに行こう。




 旅館に入ると、質素ながら美しいロビーに魅入られた。


 「素敵な旅館ですね。」


 二人で旅館に見入っていると奥から二人の獣人が歩いてきた。


 「ようこそいらっしゃいました。外は寒うございましょう。早速ですがお部屋に案内致しますので、どうぞおくつろぎになられて下さい。


 出てきたのは二人の獣人、一人はとても美しい女将さん、そしてもう一人は幼い少女の獣人。俺は言われるがまま、二人について行った。




 「申し遅れましたが、私はリーモと申します。こちらはメイユン。ほら挨拶を。」


 「メイユンよ。よろしく。」


 「こら、メイユン。ちゃんと挨拶しなさい。申し訳ございません。」


 「いえ、お気になさらず。ところでメイユンちゃん歳はいくつ?


 しゃがみ込み、少女と同じ目線でカンナが話しかけていた。面倒見のいいやつだ。少女の話し相手には適任だろう。


 「私を子ども扱いしないでよね。こう見えても14なの!」


 「フフ、ごめんなさい。」


 会話を弾ませながら、俺たちは部屋に着いた。


 「ここがお二方のお部屋にございます。」


 その時空気が一変した。俺とカンナは確信した。十二星剣の匂いがこの部屋から微かにすることに

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