第20話共戦
49,神対竜
私とアレスに竜が向かって来て、私たちはその場を離れ、少し遠くで戦いを始めた。
竜は見た目より素早く動き、攻撃をしてくる。私は盾で竜の攻撃を防ぎ、槍で攻撃をするが避けられる。
思っていた以上に素早い。私はそう思いながらもう一度竜と距離をとる。
「早く終わらせて、三神殿の援護にいかなければ。」私は槍に力を集中させ、構えをとる。竜は咆哮し、こちらへと向かってくる。私は向かってくる竜へと槍を伸ばす。
「
手応えはあったけれど、まだ油断はできない。そう思い、竜からもう一度距離をとり視線を向ける。
竜は貫かれた部位を再生し、私を睨みつけてから咆哮する。
「やはり、フェイズ・ツーの状態では、倒せませんか。」私は、そう呟き、仮の槍と盾を投げ捨て、自分の前にフェイズ・ワンの白属性のオーラとフェイズ・ツーの力を集中させる。
「来なさい!アイギス!」私は、そう叫ぶと集まっていた白い光が槍と盾を形成する。私はそれを掴み光を払い飛ばし、装備して構えをとる。
私のフェイズ・スリーの神装アイギスの槍を竜に向けて、言い放つ。
「竜よ。お前を倒し、私は一刻も早く、三神殿の援護しにいかねばならない。よってここは、大人しく倒されてもらう。」私は、そう言い放った後、竜に向かっていく。竜が爪を立て、攻撃してくる。
その攻撃をアイギスの盾で弾き、首に向かって勢いよく槍を伸ばす。
「
そのまま竜の肉体は、灰になって消えていった。
「さて。三神殿の援護に。」そう呟き、三神殿のいる方へと視線を向けるとそちらの方から何体もの竜が私の前に現れる。
「なるほど。邪魔はさせないと言うわけですか。ですが、私もあなた達に構っているのは、ごめんです!」そう言い放ち、私は、竜達に向かっていく。数が勝敗を決めるわけではないと言うことを教えて上げます。
◇◇◇◇◇◇
「やれやれ。こっちもこっちで大量だな。」我は、一体の竜を倒し、三神の援護に向かおうとするがアテナと同様に前方に複数体竜が現れ足止めを喰らう。
「これは出し惜しみしている場合ではないな。」我は、そう呟き仮の槍を投げ捨て、目の前にフェイズ・ワンの緑属性のオーラとフェイズ・ツーの力を集中させる。
「来れ!
「貴様らを倒し、三神の援護に行かせてもらう。我が道塞ぐ者達よ!そこをどけ!」我はそう言い放ち、向かってくる竜達を
「なるほど。簡単には、どいてはくれぬとは思っていたが思っていた以上に数がいそうだな。」我は、そう呟き再度竜達へと向かっていった。
50,竜騎士の本領
俺とアスタロトは空戦を繰り広げ続けていた。俺の拳とアスタロトの剣が、何度もぶつかり合い、空中には、衝撃が飛び交う。
「なるほどな。確かに力を制限されていたブネでは、そなたに勝てんぬわ。」アスタロトは、互いに攻防を繰り広げるなか、そう言葉をこぼす。そして、互いに距離をとり、空中で睨み合う。
「この手は、奥の手のつもりだったが。そうもいかぬな。」アスタロトは、そう呟くと剣を前に構え、剣に紫属性のオーラを集中していく。
そして、アスタロトが剣を振るい斬撃を飛ばしてくる。俺が斬撃を避けるとその斬撃は建物にぶつかり、建物に亀裂が入るわけではなく、斬撃のぶつかった箇所を溶けていた。
「何をした。」俺がそう尋ねるとアスタロトが剣を構え直し,答える。
「我は、竜を乗りこなす者であるが、毒の使い手でもある。その斬撃を防がず回避するとは、良い感を持っているな。」アスタロトは、そう言い切ると再度こちらに向かってくる。俺もアスタロトに向かっていく。
「ふん!」アスタロトが剣を振るい斬撃を飛ばしてくる。俺は斬撃を避け,アスタロトの顔面に右拳を叩き込む。
アスタロトは怯むがすぐに体勢を立て直し、剣を振るってくる。俺は、アスタロトの肩を掴み振るわれる剣を避ける。
そして、膝蹴りをやつの腹に叩き込み、軽く飛ばして距離を開ける。だが、すぐにアスタロトが向かってきて剣を振って来る。
俺は、炎を噴射し、今出せる最高のスピードを出して、アスタロトの背後に回り込んでやつの翼を掴む。
「何⁉︎」アスタロトが驚いたようにそう言っている間にノヴァ・フレームを両脚に移動させ、アスタロトの背中を蹴り、翼をもぎとる。アスタロトは、翼をなくして、俺の蹴りによって、地面へ勢いよく落下していった。
俺は、持っていた翼を投げ捨て、アスタロトが落ちた場所へ視線を向ける。落下地点からは、砂埃が立っていたがアスタロトが剣を振るって砂埃を払う。
鎧のあちらこちらが欠けてボロボロの姿で、こちらを睨みつけてくる。
「我が、翼をもぎとるとは、万死に値する!」そう叫ぶとアスタロトは構えをとり直し、剣に力を込める。力が集中していく剣からは、斬撃を飛ばして来た時よりも強い力が感じられる。
「喰らうがいい!我が技を!ポイズナス・カリバー!!」そう叫んで、アスタロトが剣を振り下ろすと大きな斬撃が先程の斬撃よりも素早く、放たれる。俺は、今出せる最高のスピードで斬撃を避けた。
「なんてデカさだ。」ギリギリ避けられたが、最高スピードで避けたこと考えれば、ブネの『竜閃・乱舞』のように連続で出されたら避けきれないぞ。そう思いながら、アスタロトの方に視線を向ける。アスタロトは、また構えをとり、再度剣に力を集中させ始める。
「やらせるか。」俺は、両手を後ろに向けて、炎を噴射し、勢いをつけてアスタロトに向かっていく。
「ポイズナス・カリバー!!」アスタロトは、剣を振るい、もう一度同じ技を放ってくる。俺は先程同様のスピードでそれを避け、距離を詰めながら、右拳に力を込める。
俺は、アスタロトの目の前まで、距離を詰め、右拳でアスタロトの腹部に拳を叩き込む。
俺はアスタロトを殴り飛ばし、地面に着地する。吹き飛んだ、アスタロトは地面に指を突き、勢いを止める。
次の瞬間、アスタロトの兜が砕ける。砕けた兜からは、白髪の赤い瞳の男の顔が顕になる。
「くっ!竜よ!」アスタロトがそう叫ぶと俺の横にあった建物を崩し、最初に落下させた竜が向かってくる。俺は、後ろに飛んで、その場から離れる。
竜は、そのままアスタロトの方へ飛んでいき、アスタロトを背に乗せる。そして、上空へと舞い上がり、空中から俺を見下ろしてくる。
51,一人じゃない
空中からアスタロトを乗せた竜が向かってくる。俺は、炎を噴射して、空中へ飛ぶ。
「てあ!」アスタロトが剣を振るい、いくつもの斬撃も飛ばしてくるがそれをすべて回避して、アスタロトの方へと距離を詰めていく。
新技を試してやる。俺は、そう思って、竜の頭の上に降り立ち、両拳に炎を纏い、剣を振って斬撃を飛ばして来ていたアスタロトの懐まで、瞬時に移動する。
「メテオ・ドライブ。」俺はそう呟き、アスタロトの体に炎を纏った両拳で、何度も殴りかかる。
最後に右拳をアスタロトの顔面に叩き込み、地面へと殴り飛ばす。アスタロトを吹き飛ばした後、竜は俺を振り落とし、方向転換をして向かってくる。
俺は、向かって来る竜の方へ振り向きながら、右拳に力を込め、竜の顎にアッパーカットを叩き込む。
竜は意識を飛ばし、落下していく。俺は先に地面に着地し、背後に竜が落下する。
アスタロトの落ちた方に目線を向けるとアスタロトは砂埃を薙ぎ払い、こちらを睨みつけ、剣を構えをとっている。
「竜よ!」アスタロトがそう叫ぶとやつの背後から新たな竜が三体現れ、こちらに向かって来る。俺が後ろに下がりながら、空中へ飛ぶと竜は、俺を追いかけて向かってくる。
「何が決闘だ。」俺は、そう吐き捨て、向かって来る竜を殴りつける。
その次の瞬間。別の竜の尻尾に攻撃され、地面に勢いよく、叩きつけられる。
「うっ!」なんてパワーだ。そう思いながら俺は、膝に手をついて立ち上がる。
急速な暇など当てないと言わんばかりに、上から三体の竜が向かってくる。俺は全身に炎を纏い、右手を地面に伸ばし、炎を噴射して、向かってくる竜達の方へと向かっていく。
「ストライク・ノヴァ!」俺は、竜に向かって、左拳を伸ばし、三体の竜を一気に貫く。
「もらった!ポイズナス・カリバー!!」俺が三体の竜を貫いた瞬間の隙をついて、アスタロトがそう叫び、大きな斬撃を放つ。
「しまった!」俺は、両腕を前でクロスし、目を瞑る。次の瞬間、俺の前で斬撃が何かにぶつかる音が聞こえた。
「お待たせしました。三神殿。」目を開くと俺の前で先程俺が見た盾とは、違う盾と槍を持ったアテナがいた。
「アテナさん。」俺が彼女の名前を呟くと
「我もいるぞ!」下の方からそう叫ぶ声が聞こえてくる。
「
アスタロトは建物に勢いよく突っ込んでいき、その建物が崩壊して下敷きになる。
「アレスさんも。」俺は彼の名前を呼びながらアテナさんと共に地面に着地する。
建物の下敷きになったアスタロトが残骸を吹き飛ばして、建物の下から現れる。
「貴様らが何故?貴様らには、何百体もの竜を送ったはずだ。」アスタロトがボロボロになりながら問いかけてくる。
「全員倒した。ただそれだけです。」アスタロトの問いかけに対して、冷静な口調でアテナがそう答える。
よく見るとアテナもアレスも少しだけ、ボロボロになっていた。アスタロトは驚いた顔で目を見開く。
「お待たせして申し訳ない三神殿。遅くなって恐縮ですがまだいけますね。」隣に立って、アテナが俺に軽い笑みを見せて、問いかけてくる。
「あぁ。もちろんだ。」俺は少し口角を上げ答え、アテナと共に構えをとる。
「おいおい!お前達だけではないのだからな!我を忘れるなよ!」アレスが少し離れたところから叫びながら、構えをとる。
「おのれ!!!!!!!」アスタロトが叫ぶと同時にアレスが向かっていく。アレスの槍とアスタロトの剣がぶつかり合い、火花を散らす。
「何故だ!ありえん。こんなことになるなど。」アスタロトがアレスの攻撃を止めながらそう呟くとアレスがその呟きに答える。
「簡単だ。お前が我らをみくびっていたからだ!」アレスがそう言い放ち、アスタロトの剣を弾き、腹を蹴り、空中へ蹴り飛ばす。
「くそぉぉぉ!」アスタロトが剣に力を込め、またポイゾナス・カリバーを放とうとする。そこにすかさず、アテナが近くいていく。アスタロトは驚き、剣から力を抜く。
「
「ぐあああ!」アスタロトが上を向いて叫ぶとその視線の先には、俺がいる。
「これで終わりだアスタロト!ドライブ・ノヴァ!」そう言って、俺はアスタロトに向かっていき、右拳に炎を宿しながら、体を回転させて勢いつけ、右拳を顔面に叩き込んだ。
腕を振り切り、アスタロトを地面に向かって勢いよく殴り飛ばし、やつは勢いよく地面へと落下していった。
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