第5話 急死
西暦199年、たった三年の在位で、袁術は死んだ。
もちろん、跡を継ぐものもいない。
袁術が皇帝になるにはふさわしくなかったことが証明されたのである。
その袁術と離反していた孫策は、賢い判断だったと世評を高めた。
袁術の施政は、増税と贅沢ばかりの悪政であったと歴史書に記してある。有能な家臣は、必ずしも有能な主君になれない証拠である。
後漢の家臣としては、袁術は極めて優れていたのだ。
多くのものの失望と激怒を受けて、袁術の時代は終わった。
「袁術が死にましたな。袁術は、地獄で獄吏にいたぶられていることでしょう。我が君が死んだとしたら、やはり、我が君も地獄の獄吏にいたぶられるでしょうかね。我が君は敵兵を多く殺しすぎた。戦争の勝者は、必ずしも仁者ならざるものです」
「なあに、死んだら死んだで、仙境で遊ぶさ」
孫策は199年、そんなことをいった。
そして、西暦200年、孫策は急死する。
「我が君は、仙境に遊びに出かけられたのだ」
と孫策の家臣たちは噂した。
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