鑑定

公爵領を出発して王都へ


公爵領から王都までの道のりは整備がされているのでスムーズに到着。


王都の中は第二首都アラビスと違い、王城を中心に碁盤の目状になっており東西南北でエリアが別れている。貴族街は北エリア、学校は西エリア、行政部門は東エリア、住宅・商業部門は南エリアになっている。

アラビス街からは王門を通ると南エリアになる。流通の関係で商業エリアのほうが効率が良いようだ。


王門をくぐり、王都内の屋敷へ向かう。

商業エリアは活発な時間なのか商人たちが忙しそうに働いている。

王都もまた人種の坩堝。見たことのない種族がたくさん見て取れる。

異世界に来てるんだと改めて実感させられる。


馬車に揺られ、王城が見えてきた。


とても大きく、白く美しい王城が目の前に見える


「うわぁすごい、大きくて美しい!」


チープな言葉だが感嘆してしまう。昔テレビで見たドイツの古城のようなデザイン。

壮麗で優美、宝石のよう、おとぎ話に出てくるようなお城。


城を眺めながら、馬車は貴族街へ進んでいく。

貴族街は各貴族が趣向を凝らした建物が並んでいる。

父様曰く、我が家の屋敷は先々代が立て直している。

淡いクリーム色の石灰岩を用いて、左右対称の洗練とした3階建ての立派な屋敷と美しい庭園。

曽祖父は大変な凝り性だったみたいだ。


屋敷に到着。

「おかえりなさいませ、ご主人様」

王都邸のメイドたちが出迎え入れてくれる。


「リゼル〜」

ラキル兄さんが僕に抱きついてきた。王都の貴族学校に入学している兄さんと久しぶりの再会。

今日は久しぶりの親子四人の家族団欒。


翌朝、皆で朝食を食べ終えた後に王都の教会へ移動。

王都の教会は、領内の教会に比べて何倍も大きい。入り口にいる助祭の方へ取次を依頼。

待つこと数分、大司教様がやってきた。


「はじめまして、私の名はクリフトと申します。ようこそクリムロード卿、お待ちしておりました」

メガネをかけたインテリな優男、王国の教会で一番の神聖魔法の使い手と言われているクリフト大司教。

温和な笑顔で私に話しかけてくる。


「あなたがリゼル・クリムロード殿ですか?遠いところ、ようこそお出でいただきました、手紙で詳細は伺っております。祭祀の準備はできています。早速、鑑定の儀式は行いましょう」


「はじめまして、大司教様。私がラウル・クリムロード伯爵の次男リゼル・クリムロードです。こちらが母と兄のラキル兄さんです。今日は鑑定をよろしくおねがいします」

ペコリと頭を下げる。


「立派な挨拶ありがとうございます、流石は噂の神童ですね。ではこちらへどうぞ」

通された部屋は10畳ほどの空間。中央に祭儀の水晶が用意されている。

領地の教会の水晶の何倍も大きい水晶だ。


「この魔水晶は、この国に一つしかない貴重なものです。より詳細に鑑定が出来るようになります。

王族の方やレアな鑑定結果を持つ方を鑑定することが可能です。準備に少し時間がかかります。リゼル殿はこの水晶に両手を付けて待機していて下さい」


クリフト大司祭を中央、両側に司祭が並び、神への祷りの言葉を捧げていく。

徐々に水晶から青白い光が放たれ、部屋の中を淡い白色の空間へと光らせていく。


「こ…これは…」クリフト大司教が驚きの声を上げる。


水晶の真上に鑑定結果が表記される

一同から驚きの声が上がる


名前:リゼル・クリムロード

年齢:3歳

職業:賢者


戦闘スキル

剣術


魔法スキル

火魔法 LV1

水魔法

土魔法

風魔法

回復魔法

精霊魔法


特殊スキル

召喚魔法

空間魔法

二重詠唱


”私の物語にチートという言葉加わった…”

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