第11話 レベリング再開
俺は放置プレイしていた8体のスライムを回収すると、新たに4体のスライムを召喚した。
1号から4号までだ。
「じゃ、師匠行ってきまーす!」
「ああ、気をつけろ。ほどほどに強くなった頃が一番危ういからの」
「はい。わかりました!」
珍しく師匠が真面目なことを言うな。
てっきり、4人のスライムを使って、俺のことロリコンだとか、からかうかと思った。
そうこうした、俺は狩りの場所の山岳地帯に向かった。
昨日はゴブリンの群れのおかげで頓挫したレベリングを再開するためだ。
山のホワイトファングの経験値は1匹300だ。
俺の経験値10000倍のスキルで300x10000=3,000,000。
これはスライム達にも適用される。
そして、俺はスライム達の経験値も入る。
ただし、スライム達は自分で倒すか連携してパーティを組まないと経験値を共有できない。
スライム達も経験値を共有できるといいのだが、そこまで都合よくない。
放置プレイヤーのスライムの経験値共有も経験値10000倍のスキルもドン引きする位のチートさだからな。自重しないと、必死に経験値貯めてる冒険者達に悪いような気さえする。
「お前たち、そう言えば、1号とかじゃ可哀想だから、名前をつけようか?」
「ほんとですか? アル様♪」
「やったぁ! アル様ぁ~素敵♪」
「可愛い名前つけてくださいね♪」
「2、2号はアル様がつけてくれればなんでもいいです!」
珍しく四人とも見た目相応の可愛いリアクションだ。
「じゃ、1号はアイリス、2号はベティー、3号はクララ、4号はデリカでどう?」
「素敵!! 私はアイリス!!」
「私はベティ!!」
「あたしはクララ!!」
「わたくしは……デリカ……あれ、これABCD順で名前振ったんじゃ?」
「ギクっ」
す、鋭い。あと、8人加わるかと思うと、順にA,B,C順で名前つけた方が覚えやすいかなと。
「「「「ぶぅうううう!! アル様適当すぎーーー」」」」
「ご、ごめん。でも、ちゃんと考えたんだよ」
「それならアイリスはいいです」
「ベティーもいいです。アル様がつけてくれたなら、何でも」
「クララもいいです。いい名前だし」
「デリカもいいです。ごめんなさい。変なことを言ってしまいました。召喚魔たるもの、たとえ『アル様専用肉便器』と名付けられても、笑顔で受けるべきでした」
「女の子がそんな発言しちゃダメ!!」
全く、この子達はどこでそんな言葉を覚えて来るんだ?
まあ、名前の件は落ち着いて、いよいよ山へ入る。
「じゃ、気を付けてね。みなあまり遠くに行かないようにね。昨日みたいにゴブリンの群れみたいなのに出会った時に対処できるようにね?」
「「「「は~い!!!」」」」
こうして今日もレベリングを行う。
そして戦うこと5時間。俺達はこの周辺のホワイトファングを狩りつくしていた。
「ゴブリンの群れに昨日出くわしたから心配してたけど、意外と大したことなかったな……」
レベル295の俺にとってホワイトファングはそれほど怖い敵ではなかった。
もちろん、レベル200のスライム達にとっても楽勝だった。
今日の戦果は。
俺はホワイトファングを300匹討伐。
スライム達はそれぞれ300匹。
計1500匹。習得経験値 3,000,000 x1500=4,500,000,000
俺のレベル467、スライムのレベル302。
習得スキル
放置プレイレベル4
神級身体強化レベル10
神級炎魔法レベル10
神級氷魔法レベル10
神級雷魔法レベル10
神級風魔法レベル10
神級水魔法レベル10
神級光魔法レベル10
神級闇魔法レベル10
身体強化(極大)レベル10
神級鑑定レベル10
神級罠解除レベル10
パッシブスキル
神級探知レベル10
補助スキル
経験値10000倍
魔法威力上昇レベル10
物理防御魔法レベル10
魔法防御魔法レベル10
魔法並列処理レベル3(オクタコア)
応用魔法レベル4
戦技スキル
冥王破妖斬
いや、俺はニマニマが止まらなかった。
その時!?
ガァルル!!
突然襲い掛かってきたそれは、巨大なホワイトファングだった。
通常3mの筈が10mにも及ぶサイズ。
「こ、これはホワイトファングの主か?」
魔物の中には極めて強い個体が生まれることがある。
通常の数十倍の能力を得る魔物は主と呼ばれる。
師匠は自分の住む小屋に結界の中心をおいた。
なのに何故こんな強い個体が?
ホワイトファングはB級冒険者のパーティで倒せるレベルの魔物だ。
決して災害級とかじゃない。
しかし、このホワイトファングは災害級に間違いない。
鑑定の魔法でそのステータスを確認した俺はゾッとした。
それほど極端に強い個体だった。
だが、結界の中には強い魔物は入れないはず?
「そうか!? この100年間で成長したのか!?」
俺は思わす叫んだ。
そうだ、師匠はこの100年、今の小屋で引きこもり生活をしている。
その間……
「師匠がこんなとこまで強い魔物を間引きに来る筈がないな……」
かなりピンチだ。
鑑定の結果、ステータスはかなり俺の方が上。
ならば!
俺は気が付くと動いていた。
「ああああああああああああっっ!!」
身体強化(極大)のスキルを発動していた。
最大速度で駆け抜け、剣を抜く。
そして、剣の一閃。
「冥王破妖斬!!」
俺の戦闘スキルの最強の剣の技!
3m程度の体躯のホワイトファングを圧し返すには十分すぎる技だった。
だが、10mのこいつには。
俺は今まであまりに楽に勝っていた。
死線を彷徨わず、ただ楽に魔物を狩っていた。
その報いが今来た。
ホワイトファングの主は長い年月を経てここまで進化した。
だからだろう。スキルによる技じゃない。長い年月で身につけた個人技。
こいつは俺の剣をへし折った。そして。
「ググォォォォォオ!!」
巨大な体躯を持つホワイトファングは俺の剣をかわして俺に向かってその鋭い爪の腕を振り下ろしていた。
やられる!
補助スキルの物理魔法防御を発動するが、果たして役に立つか?
その時!
「やっぱり、慣れた頃が危ないじゃろ?」
俺が一瞬諦めかけた時、師匠の声が聞こえた。
気がつくと、師匠がホワイトファングの腕を剣で受けていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます