想像力、欲求と文明(新版)

平 一

1 技術と政策は文明の両輪!

図:https://19084.mitemin.net/i611931/


人類は、文明により繁栄を得ました。

文明には、六つの要素があると思います。


①科学・技術   (知る)

②経済・社会活動 (する)

③制度・政策   (決める)

④物的資源    (モノ)

⑤人的資源    (ヒト)

⑥自然・社会環境 (環境)


これらの要素を長期的にみると、

次のような順番で変わります。


図:https://19084.mitemin.net/i586017/


まず、①科学・技術が発達すると、

②経済・社会活動が豊かになると共に

複雑・加速化します。

すると③制度・政策が利害調整を行いますが、

他方でその限界を突破するため、

政策は新たな科学・技術も求めます。


しかし、科学・技術は④物的資源に具現化しないと、

経済・社会活動を変えられません。

制度・政策も⑤人的資源により実現されないと、

経済・社会活動を健全に保てません。


さらに、政策が新技術を求める際には、

地形・気候や資源の産出、

歴史的な社会状況や国際関係といった、

⑥自然・社会環境が影響します。


私は以上のように、文明の六要素である

3つの文明活動要因と3つの内外環境要因を、

六芒星ろくぼうせい(✡)の形に並べて考える文明論を考え、

〝文明の星〟理論(仮説)と名づけました。

(以下では技術、政策、社会活動のように

略することもあります。)


文明について考えるうえで、

特に重要なのは、技術と政策だと思います。


文明活動の本体は、

全ての人々が営む社会活動ですが、

〝自然〟から富を生み出し、

社会活動を豊かにするのが技術、

〝人間〟間で富を分け合い、

社会活動を健全に保つのが政策です。


技術なくして文明の発展なく、

政策なくして文明の持続なし。

技術と政策は文明を支える二本柱あるいは、

文明を動かす両輪、両翼といえましょう。


では人間のいかなる性質、属性が、

技術と政策を生み出したのでしょうか?

それは人間が持つ知性と人間性であり、

その基礎、本体は限りない想像力と欲求だと思います。

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