【第3部 光と闇と混沌と】
1章 すべて僕のものだ。
第157話 【災害(カラミティ)】。
「苛み、縛れ。尽く」
陽光が差しこむ森の中の広場。ぶわり、と魔力を含んだ風が巻き起こる。
同時に、しゅるり、と色とりどりの長い布を束ねていたロココの腰のリボンが解かれた。
身にまとう白のケープマント、【
『ギュウオオオウィィィッ!』
「くっ……」
「我は刻み、我は
だが、それでも防ぎきれなかった残りの触腕を今度はディシーの黒き精霊がそのかたちを変えた千を超える【腕】でおさえこむ。
『ギュウオオオウィィィァァッ!』
「ロココ! ディシー! 私の後ろに! 急げ! はあぁぁぁっ! 英霊よ! 我が友を守る力を! 【
そして、それすらも越えてきた触腕は、ふたりの前に立ちはだかり守るニーべリージュがその身にまとう青い霊火を盾のように広げ、辛くもすべて焼きはらった。
王都近郊に位置する山。その中の樹齢千年ともいわれる巨大な神木の存在する森の中。
いま僕たち【
【
ありとあらゆる動植物や人間、はては同じ魔物にいたるまで、弱った個体を狙い寄生して自由を奪い、その魔力を吸い上げて成長する、寄生先によって討伐難易度が大きく変動するタイプの魔物。
『ギュウオオオウィィィァァァァッ!』
そして、今回の討伐難易度は――【
通常のFからSといった討伐難易度の規格から外された、およそ冒険者のような個人戦力では手に負えない存在と判断された、禁忌接触対象に冠せられる称号のひとつ。
そう。樹齢千年といわれる神木そのものに寄生した結果、ありえないほどに成長を遂げた【
王国から直々に指名依頼を受けた、【闇】の勇者パーティーとしての。
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