第90話 黒い炎。
『貴様ラァァァァッ! コノ【
その叫びにドス黒い魔力が集まるのを感じ、僕はバッと前に向きなおった。
見れば、右腕を根元から吹き飛ばされた【
「ノエル。ニーベ」
「ノ、ノエル! こっちへ早く! えっと、ニーベふみゃふみゃさんも!」
「うん! いまいくよ! ニーベリージュも早く!」
「……ああ」
どう戦うにしても、
ニーベリージュもいかにも
……それにしても、ふみゃふみゃさんって。ディシーってば、ニーベリージュの名前ぜんぜん覚えてなかったんだね。
「ノエル! あ、あいつやばいよ……!? あ、あたしがいままで見たこともないくらい……! ほ、ほら見て! ロココちゃん、いまがんばってるんだけど……!」
なんて、そんなのん気なことを考えている場合ではなかった。
「
しゅるり、と色とりどりの長い布を束ねていた腰のリボンが解かれ、【
そんな、まるで妖精の舞を思わせるような幻想的な光景の中から、ロココの赤い呪紋が高速で空中を、地を奔り、【
いまやその右腕を失った巨体をあますことなく覆いつくす、黒い炎のようなものによって。
『オオオオオォォォッ! チカラガ! チカラガミナギルゾォッ!! サァ! 遊ビハ終ワリダ! 人間ドモ! 受ケヨ! 死霊ドモニヨッテサラニ強化サレタ、我ガ必殺ノ
【
『サァ……! 死霊ドモノ
それはまるで、黒い炎の壁。
到底避けきることのできない大質量の魔力攻撃が僕たち全員を圧し潰そうといま放たれた。
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