第12話

 たっくんはゆめのせかいにもどってきました。


 リュウのおうちざして今日きょうあるきます。


 とちゅうでめずらしいフルーツをべたり、わきみずでのどをうるおしました。


 どれもとてもおいしく、たっくんは元気げんきいっぱいです。


 もうすこしでジャングルをぬけるよとクロがおしえてくれたときでした。


 たっくんはまえのけしきがおかしいぞとおもいました。

 

 ひるなのにまっくらだったのです。


 しかしうえ見上みあげるとあかるいままでした。


「こわいカゲだ」


 リュウがさけびました。


 そうです。まっくらにえたのはこわいカゲだったのです。


 それもいっぴきではありません。かぞえきれないほどあつまっています。


「ダメだ、にげよう。わたしについてきて」


 クロはリュウのせなかからおりてはしります。


 たっくんとリュウもクロをおいかけてちからいっぱいはしりました。


 ですがこわいカゲはどんどんちかづいてくるのです。


 にげてるだけじゃだめだ。ぼくがリュウもクロもまもらなくちゃ。


 たっくんはポーチからどんぐりをとりしました。


「ゆうき!」


 ゆうきのまほうをとなえて、こわいカゲにどんぐりをげつけます。


 どんぐりはこわいカゲのまえでパンッとはじけてひかりはなちました。


 こわいカゲがなんびきかいなくなりました。


 ですがかぞえきれないほどいるのです。


 どんぐりをなげてもなげてもおいかけてきました。


「うわっ、このさきはがけでまりだ」


 クロがさけびます。


 がけはとてもたかく、とびおりたらおおケガをしそうです。


 こわいカゲはどんどんせまってきました。もうまわりはかこまれています。


 たっくんはどんぐりをなげつづけましたが、ついになくなってしまいました。

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