同い年

 初めて会った時、同い年だね、と僕が彼女に言うと、私のほうが一日早く生まれたから、私のほうがお姉さんよ、敬いなさい、と返された。それ以降、僕は結婚してからも彼女に対しては、敬語で、いつまでもその関係が続くと思っていた。「同い年にするなよ」と彼女の通夜で、久し振りに僕はため口を使う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る