第27話

 クラスメイトを助けるのは、皆殺しにしてからでもいいか……。

 あ、でも、海賊はどうやって来たんだ?!

 まさか太平洋を船で横断してきたとか?!


「無理だ! どうしてもイメージできん!!」

 俺は海賊船が太平洋を横断する様を想像してみようとしたが、頭の中で全然イメージできなかった。 


「風ノ助くん。さっさとミーティングやるぞー」


 上の階から楠田先生の声が降って来て、俺は階段を走った。


 大広間へ続く襖を勢いよく開けると、ちょうど楠田先生がチョークで金の襖に書いている途中だった。


「だー! 遅刻だーー!」

「ハハッ。遅刻ってわけじゃないよ。風ノ助くん。ここは学校じゃないからね。今から海賊船を一つずつ離れ離れにする作戦を書いていこうとしているんだよ」

「そんな作戦が?!」

「ああ……ええと……風ノ助くんは陽動作戦という作戦を知っているかい?」

 陽動作戦?

 確か……?

 確か、おじいちゃんから聞いたことがあるんだ。


 あ! そうだ!

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