「そうかい。そりゃあ良かったな」


「よくない」


「出張の度にそうやって俺を死人扱いするの、なんなの。癖なの?」


「これもまた夢。起きたらあなたはいない」


「そりゃあ、そうかもしれないな。夢か現実かの区別なんて、分からんし」


「ねえ。なんで死んだの?」


「出張だけど。生きてるけど普通に」


「じゃあ早く帰ってきて」


「いやここにおるけど」


「じゃあよし」


「なに食べる?」


「ごはん」


「ごはんね。じゃあ魚でも焼くか」


「お吸い物がいい」


「じゃあ鯛かなあ」


「出来たら起こして」


「はいはい」


 目覚めたら、あなたは。

 ごはんと一緒に待っている。


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