目覚めたら、あなたは (短文詩作)
春嵐
目覚めたら、
日常に埋もれそうになる。
何かをこなして、次の何かが現れて。朝起きて。夜眠って。そういう繰り返しのなかで、ちょっとずつ、ちょっとずつ、心がしんでいく。
何も、なくなっていく。何も感じない。何も考えない。何もない。空欄を黒く塗りつぶすような、余白がなくなっていくような、そんな終り方。
彼は、そういうときに、ふらっと私の前に顔を出す。まるで、行きつけのごはん屋さんか何かみたいに。
とっても軽い口調で。なんとなくの会話をして。一緒に過ごす。黒く塗られた私の日常が、漂白されていく。そして、色づいていく。
彼といるときは、眠りたくない。
目覚めたら、あなたは。
もう、いないから。
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