エナライブ夏風神楽裁判

「ではこれよりエナライブ一期生夏風神楽の裁判を始めさせていただきます」


「ねぇ、誤解だって!」


「静粛に、今回の裁判は私如月常影が裁判長を勤めさせていただきます」


「ねぇ?私先輩だよ?」


【遂に裁かれるときが来たのか】

【俺今日ASMR配信って聞いてたんだけど?】

【俺もさっきまで神楽ちゃんのアカウントで配信すると思ってた】

【公式のアカウントw】

【で、今回は何をしたの?】


「え~今回は後輩を泣かせた罪とその他諸々の罪に問われています、ではご覧ください」


「エナライブ三期生黒狼コロンです」


「コロンさん今日は一体どうなされたのですか?」


紅葉ちゃんが語り始める


「えっと、今日は常影君と夏風先輩と一緒にASMR配信をするために本社へと来ていたんです、そしたらいきなり夏風先輩に会議室に連れて行かれてお菓子食べる?とか膝の上にのせてもらってたんですけどいきなり突然き、キスされて…しかもそのあと…」


「それは怖かったね、容疑者夏風先輩何か反論はありますか?」


「え、まず私は何故裁かれる前から容疑者なのか知りたいのとコロンちゃんのやつはただのスキンシップだったっていうか…」


「そうですか、では弁護人の話を聞きましょう」


そう言って俺は手元にあったマウスをクリックする


『どうも、エナライブ一期生の秋原楓です、ねぇ神楽ちゃん私を差し置いてコロンちゃんに何をしてるの?しかもキスってなに?ねぇ?』


「べ、弁護人?ねぇ嘘でしょ!何で私の味方は誰もいないの!?」


「容疑者何か反論はありますか?」


「え、えぇ~あのキスはしたってゆうかただのスキンシップってゆうか…」


『え"私とのもただのスキンシップだったの?好きって言ってくれてたのに?』


目と声がガチトーンで怖!これが本場のヤンデレか


【確かに言ってたのねそんなこと】

【うん、これはしょうがない大人しく諦めたほうがいいと思う】

【コロンちゃんに手を出すのは有罪、本当の紳士は遠くから見守るべき】

【上にかなりヤバイやついる気がするんだが…】


『コロンちゃんは配信では分からないかもしれませんがかなりのコミュ障ですからね、しかも先輩にいきなりそうされたら泣くのも無理はないと思いますってことで取り敢えず有罪』


『極刑を希望します』


「かえでん!ねぇ私の弁護人じゃなかったの!?」


『浮気者なんて知らない』


こ、こえぇよこれが恋愛裁判ってゆうやつか(違います)


弁護人に見捨てられる被告人ってなんだよ、初めて見たな


「では、次の裁判へと移ります」


「え"まだあるの?」


「内訳を詳しくするとまず二期生の白川モカ先輩の温泉旅行消えたサンドイッチ事件、同じく二期生の黒須ライ先輩のワッカフィットアドベンチャーでのいたずら事件ですね」


「全部心当たりしかない…」


【あ~先週の温泉のコラボの時のやつね】

【ワッカフィットアドベンチャー、あれはナイスとしかいえない】

【どちみち罪状多すぎw】

【今日これ絶対ASMR配信まで行かないよな】

【ASMRで寝ようとしてたら裁判で寝てた】


「え~裁判所内では寝ないで下さいね~では白川モカ先輩どうぞ」


『どうも、エナライブ二期生の白川モカです、私は先週の温泉のコラボの時に夏風先輩に私が楽しみにしていたサンドイッチを無許可で食べたんですよ!私の大好きなイチゴのやつ!しかも神楽先輩それ食べ終わったあと私はイチゴよりバナナのほうが好きだな~って言ったんです!もうこれは有罪ですよね!』


やっぱり食べ物の恨みは怖いんだな


「これはもう有罪ですね」


「私の反論の機会無し!?おかしいでしょ!」


「これはエナライブ帝国憲法第十条無断他人飲食法に違反しますからね、大人しく代わりのサンドイッチかってあげて下さい」


「くぅ…反論できない…」


エナライブ帝国憲法って何なのかは知らないがスタッフさんが教えてくれたので多分実際にあるんだろう


【無断他人飲食法って確か3日以内の事務仕事か代わりの物を渡すんだっけ?】

【そう、大体あってる】

【初見さん困惑しかしないんだろうな…】

【在日日本人なのにこの憲法知らなかった…】


「お?また新たな容疑が上がりましたね今回は社長からのタレコミですね」


「色々とすいませんでしたぁぁぁぁ!」


こうして夏風神楽裁判は続くのだった

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