ナーロッパと揶揄されるのに西洋史は商業で需要がない?じゃあ中世ヨーロッパの小説を投稿して検証してみます!
しんの(C.Clarté)
ナーロッパと揶揄されるけど西洋史は商業で需要がないらしい
◆前書き
2021年8月16日に小説家になろうで投稿したエッセイを改稿・重複投稿しています。
・https://ncode.syosetu.com/n7193hd/
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・ナーロッパ (なーろっぱ)
ナーロッパとは、ファンタジーで用いられる中世欧州風ではあるが似て非なる世界のこと。
概要
小説家になろうに投稿される作品に散見される中世ヨーロッパ風の異世界への揶揄として誕生した用語。
具体的には作中の異世界において、現実世界における中世ヨーロッパではあり得ない描写が発生することへの揶揄を指す。
ナーロッパ (なーろっぱ)とは【ピクシブ百科事典】(https://dic.pixiv.net/a/ナーロッパ)より引用。
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史実・史料に基づいた小説と比較して、中世ヨーロッパ風の世界観を模した小説を「ナーロッパ」と揶揄しているのでしょうね。
なお、中世ヨーロッパと似て非なる異世界であることを宣言するために、作者側があえてこの言葉を用いることもあります。
他人に対して使えば「侮辱を込めた揶揄、粗探し」と受け取られかねず、自作に対して使えば「自虐、開き直り」とも受け取れる言葉です。
侮辱というと大袈裟かもしれませんが、からかっているのは間違いない。
ですが、じつは商業出版では「西洋史モノは需要がない」そうな。
……私が言われたんですけどね。
誤解のないようにフォローすると、貶す意図ではなく好意的な意味で、です。
大手出版社KD社様が運営していた小説投稿サイト・セルバンテス(サービス終了・涙)で重複投稿していたときに、タグをつけるだけでエントリーできるレジェンド賞で拙作が最終選考に残りまして、後日、短評をいただいたときの評価です。
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7番目のシャルル 〜狂った王国にうまれて〜
C・クラルテ
〇
・レジェンド賞内随一の文章力。
・物語がテンポよくサクサクと進む点。
・西洋歴史ものならではの雰囲気が非常に魅力的。
×
・1章の終わり辺りからここは12歳のシャルルの視点なのか、成長したシャルルの視点なのか分かりにくいところが多くなる。
・彼の行動や言葉と地の文とのギャップを感じるところもある。
・面白い小説だとは思うが、歴史が苦手だと2章の中盤辺りからついていくのが辛くなっていく。
・ゲーム要素の薄さ。
・他部署への推薦も考えられる水準の完成度ではあるが、残念ながら西洋歴史ものは、今や塩野七生レベルでないと商業として市場がない。
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(※)文中に出てくる「ゲーム要素の薄さ」について補足します。ジャンル不問・未完も可でしたが、系列のレジェンドノベルスは「ゲーム文化を背景にした要素」を重視しているため、拙作はその観点からズレているという意味です。ようするにカテゴリーエラー。
メールの文末に「なお、この作品は投稿当初から編集長が気に入って読んでいた作品でもありました」と追記が添えられていて、感激もひとしお。
ちなみに、15世紀フランス・百年戦争の時代——中世ヨーロッパ末期の話です。
初めて書いた小説で(ただし、二次創作の経験あり)この時はまだ未完。
レーベルがもとめる「ゲーム要素」が薄いなどのマイナス要素を差し引くと、想像以上に高く評価していただけたと感じました。
ただ、内容の評価とは別に、「西洋歴史ものは、今や塩野七生レベルでないと商業として市場がない」が気になり、小説界隈のフォロワーさんその他いろいろ……に探りを入れてみました。
私の交友範囲で聞いた話であって、例外もあるかもしれませんが——
最近の商業出版全体の傾向らしいです。出版社やレーベル単独の話ではないと。西洋史フィクションは需要がないとされ、どうしてもやりたいなら歴史をもとにした西洋史風ファンタジーに改編するよう求められるとも。
確かに、商業出版は慈善事業ではありません。
数字(売上、部数など)がついてこなければ、西洋史というだけでハードルが高くなる。
このときの評価で、それなりに面白い話が書けていると自信がついた一方で、「西洋史は需要がない」という厳しい現実を突きつけられました。
それか、塩野七生先生並みの完成度とネームバリューを求められると……。
紫綬褒章受章の超大物エリート作家様を引き合いに出された拙作って、じつは結構すごいのでは?!(超ポジティブ!)
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