第28話
「流石にあの距離じゃまだ攻撃出来ないし。射程範囲に入るまで魔法を準備しておくしかないか」
理想としては射程範囲に入った瞬間用意した魔法を全弾撃ち込んで、相手には何もさせず、出落ちさせることだけど。
なんかやな予感がするんだよね。
炎神の外套の詠唱の準備もしておこう。
ひとまず、レアボスが俺の魔法攻撃の射程範囲に入った瞬間攻撃が出来るように火のミサイルを量産しておく。
レッサードラゴンより確実に強そうだし。恐らく遠距離攻撃もしっかり持っていることを前提として戦わないと。
相手は俺たちに気づいてるみたいだし。既に巨大な鳥の攻撃範囲に入っている可能性だってある。
「消えた!どこに行った!」
目視で確認できていたレアボスが突然姿を消した。
「もしかして…まずい!」
まさか転移を使える?と後ろを振り向くと、5階建ての建物ぐらいある鳥の羽が銃弾のように飛んで来ていた。
咄嗟に羽に向かって火のミサイルを撃ち込むけど。数が違いすぎる。
羽を落としきることは出来ず、羽は威力を保ったまま地面に到達。大きな地響きと砂埃が舞い上がる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
巨大な鳥は今回も簡単な仕事だったと。巣に戻ろうとしたその瞬間。
青い火球が片翼に着弾。着弾した箇所は一瞬で燃えて灰になり消えてしまった。
突然片翼がなくなってしまった巨大な鳥は当然地面に墜落を始める。
流石にこのまま地面に墜落すると死にはしないけど、重症をおってしまう。
巨大な鳥は転移を使い地面に着陸した。
一体さっきの攻撃はなんだ?もしかしてさっきのやつらはまだ生きているのか?
巨大な鳥は砂埃のせいで目視ができない。
砂埃が邪魔だと思った巨大な鳥は竜巻を作り出して砂埃に向かって移動させる。
これで砂埃諸共さっきのやつらも消えてしまうだろう。
無駄に転移を使わされたせいで魔力を余計に消費してしまった。ここで休憩して魔力を回復させよう。それから無くなってしまった翼を再生させればいい。
目をとじて休憩しようとした瞬間、自分の作り出した竜巻が消滅した。
何があった!と当たりを見渡すと、先程自分の翼を一撃で消滅させた青い火球が何個も空に浮いてている。
その青い火球が獲物を見つけたかのように一斉に自分に向かって来た。
もう転移を使う魔力も残っていないので、避けることは出来ない。
巨大な鳥は灰すら残らず消滅してしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「私たち生きてる?」
「多分…」
「炎神の外套を1度見ていたので、大丈夫ですよね?と信じていましたけど。流石に死んだと思いました」
敵が後ろに転移して来て攻撃を仕掛けてきたと認識した瞬間、炎神の外套の詠唱を始めていたので、顕現したあー子様の炎の自動防御のおかげで、直撃するものは全て迎撃されていた。
それでも自動防御の範囲外の攻撃のせいで砂埃が上がってしまって何も見えなくなっちゃてたけど。
炎神の外套はあー子様の炎のごく1部を顕現させて短時間だけ操ることが出来る魔法?と言うより儀式だ。
詠唱が終わるまでこちらの意思であー子様の炎を操ることは出来ないけど。炎自体が詠唱が終わるまで自動で防御してくれる。
ヒーローが変身中は無敵なのと似たような感じだ。
「それで、素材がドロップした訳だけど、デカすぎるでしょ?それに量も多いし」
俺の目の前に巨大な鳥の素材がドロップしたわけだけど。1枚が5階建ての建物ぐらいある羽が数枚。人ひとり分ぐらいの爪。人の頭と同じぐらいのサイズがある風の魔石。
一軒家サイズの鶏肉。
素材のせいで周りが見えない。
「一体倒しただけでこんなに素材がドロップするって有り得るのか?」
「それはこのロック鳥が言わゆるレイドボス。つまり、大人数で倒すことが前提の魔物だったからだよ。そんなロック鳥も神の炎の前では無力だったけど」
つまり大人数で倒すぶん滅茶苦茶強いけど。
その分ドロップが多いと。
大人数で倒したのにドロップが少なかったらドロップをどうするかで喧嘩が起きそうだし。
「説明有難うございます。ニャル様」
突然現れて俺たちが戦った巨大な鳥、ロック鳥について説明してくれた。
この神様ほんとに何処にでも現れるよね。
解説してくれるから助かるけど。
エマ先輩とミラ先輩は突然美女が現れてしかもその美女が神様。
脳のキャパオーバーが起きたみたいで、さっきからピクリとも動かない。
ああなってしまったら少しそっとしておいて、自分で戻ってくるのを待つしかない。
その間にニャル様に色々質問しようと思ったらもうニャル様はいなくなっていた。
「ホントに神出鬼没な方ですね。ニャル様は」
何度かあって神様ズになれているのでいつも通りだ。
「それにしても、これ全部持って帰れますかね?」
確かにこの素材の量は今持ってるマジックバックだけじゃ全部持って帰れないかも。
「とりあえず、今もってるマジックバックに入るだけ入れて。全部入り切らなかったら、この場で追加のマジックバックを作ろう。そうすれば全部持って帰れるはず」
こうして2人で、ロック鳥の素材の回収を始めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます