家にいるだけなのに世界最強！ 外れスキル【建築】持ちの俺は実家を追放される。辺境で家作りをしていただけなのに、魔王城よりもすごい最強の帝国が出来上がってた。今更、実家を継いで欲しい？ もう遅いっての！

第10話 岩男(ロックマン)との闘い

　キケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケ

　岩男(ロックマン)は俺達を取り囲み、異様な奇声を上げてくる。俺達を逃すつもりはないようだ。どちらにせよ俺達はもはやこいつ等と闘うより他にない。

「……くっ！　これでも食らいなさい！　炎魔法(フレイム)！」

　リノアは炎魔法(フレイム)を放つ。紅蓮の炎が岩男(ロックマン)の群れを襲う。

　――しかし、岩男(ロックマン)達は平然とした顔をしていた。

「そんな！　どうして！」

　皮膚が岩で出てきている、岩男(ロックマン)は高い防御力を誇る。また、魔法防御力も高い。リノアの魔法攻撃を持っていても、有効にダメージを与える事はできないだろう。

　キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア！

　岩男(ロックマン)が反撃をしてきた。何の変哲もない、単純な右ストレートだ。

「避けろ！　リノア！」

　リノアは飛びのいてその攻撃を避けた。地面が陥没した。凄まじい破壊力だった。単純な攻撃ではあるが、岩で殴りつけられるようなものだ。食らったらタダでは済まない。

「い、一体どうすれば……」

　リノアは躊躇った。

「くそっ！」

　ここで俺達は死ぬ運命なのか。そんなわけがあるか！　こんなところで死ねるわけがない。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！」

『ビルドハンマー』を持った俺は破れかぶれの特攻で、岩男に突っ込んでいった。俺の『ビルドハンマー』は炸裂する。

　ピキィ！

　しかし、当然、俺の攻撃程度は岩男はビクともしなかった。

「え？」

　しかし、俺はその時、何かが割れるような、音がした事に気づいた。

　俺は岩男に反撃される。俺は吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。

「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！」

　ド―――――――――――――――――――――――――――ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン！

　壁に叩きつけられ、危うく意識を失いそうになるのを何とか堪える。

「グラン様－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー！」

　リノアが俺に駆け寄ってきた。

「だ、大丈夫ですか！　グラン様！　今、回復魔法(ヒーリング)をかけます」

　そして慌てて、俺に回復魔法(ヒーリング)をかけてきた。

「リノア……今、俺が攻撃した時、岩男(ロックマン)した時、音がしたよな？」

「お、音ですか……確かに、聞こえたような……」

「確かにしたんだ……岩男(ロックマン)から音が……リノア、再びあいつに魔法攻撃を仕掛けてくれないか？」

「は、はい！　わ、わかりました！　火炎魔法(フレイム)！」

　リノアは再び、火炎魔法(フレイム)を放った。紅蓮の炎が岩男を襲う。先ほどと同じ攻撃だ。だが、結果は先ほどとは大きく異なっていた。

　グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ！

　一匹の岩男が悲鳴を上げて、果てたのだ。

「そんな……なんで、さっきは効かなかったのに」

「やっぱりな！　俺の『ビルドハンマー』による攻撃で、岩男(ロックマン)にヒビが入ったんだ。岩の皮膚は強固でも、その中身までは頑丈じゃない。ヒビの隙間から魔法が流れ込んでいったんだ。俺の攻撃は決して無意味なんかじゃなかった！」

　折れかけていた俺の心に、再び闘志が湧き上がってきた。やれる！　まだ俺達はやれる！　

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！」

　俺は再び、岩男に攻撃を繰り出す。俺が攻撃する事で、岩男にヒビが割れる。そして、その後、リノアが魔法攻撃でダメージを与える。

　そしてついには最後の一匹が倒れたのだ。

グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ！

　最後の岩男が倒れる。

「やった……やったぞ……リノア」

「は、はい！　やりましたね！　グラン様！」

　俺達はほっと一息を吐く。そして岩男の群れはアイテムをドロップしていった。俺達が欲しかった鉱石をドロップしていったのである。

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　入手アイテム

アイテム名。ミスリル鉱石。×１０、鋼よりも硬く、軽い特殊鉄鋼であるミスリル鋼を作り出す事ができる鉱石。建材の他、様々な装備品に使用可能

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「よし……目的の鉱石も手に入れる事が出来たし、元の場所まで帰るか」

「は、はい！　そうですね！　帰りましょうか！」

　目的の鉱石を手に入れた俺達は一目散に帰っていったのである。そしてまた、これから新しい家を作る作業が始まるのだ。