詩集 例え奈落に落ちたとしても、この絆は変わらない

仲仁へび(旧:離久)

第1話 奈落から編み出される糸



「君に止められるかな」


「絡みに絡まった惨劇の糸を」


 全員、みなごろしだぁ


 恥をさらしたな


 そうさ だったらもう 全部デリート


 消去しようぜ


 今すぐ 世界ごと葬りされればいいけどよ


 俺には 人間様には できねぇもんだ


「弱くないというのならその証拠をみせてくれ」


「希望を」


「この世界にもたらしてくれ」


 夢を見る 何度も 夢を見る


 幻と予感が 背中を押してくる


 そうだ 忘れている事があるんだ


 早く思い出さないと


 けれど焦燥感だけが 際限なくふくれあがって


 からまわり


 何やってるんだろうな


「祝福されてみんな生まれてきたはずなのに」


「行きつく場所は違うんだね」


 まるで見たような景色


 どこにもない景色の方が少なくて


 悲鳴を出して 狂ってしまいそう


 ああ ここにも悪夢がある


「そう。もう気が付いたの?」


 永遠なんてねぇよ


 気が付いたら皆 終わっちまってた


 何言ってるんだ お前


 血が騒ぐから 暴れる


 俺の これは 定めなんだ


 止められるもんか


 どうやったって どうふんばったって


 繰り返しちまうのさ


 ここで止めたって 戻れやしねぇよ

 

 とっくに 罪にまみれてる


 そうだ


 どんなけ 後悔したって


 出られやしねぇよ この奈落からは


「だから、そこで歩みを止めるの?」


 それ以外ない


 落ちよう


 もう 戻れない


 手が伸びてくるから


 この愛しさと悲しさを


 どこにぶつければいいんだろう


 繰り返し


 繰り返し


 膝をおってきた


 涙と血を流してきた


「何度でも?」


 何度でも


「それでも?」


 今すぐに


「ここから」


 自由になりたい


 この場所から抜け出す事ができるなら


「どんな?」


 行きつく先が

 煉獄でも良い


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