モンスターの溢れる現代日本で俺だけレベルアップ&モンスターに襲われない件〜高校で俺を虐めていた奴らは今更助けてと縋ってきたところでもう遅い〜

taki

第1話


引きこもり始めて半年になった。


原因は高校のクラスでのイジメだった。


詳しい経緯は省略するが、俺はとある数人のいじめっ子グループから高校で激しいいじめを受けた。


物を隠されたり、暴力を振るわれたり、挙げ句の果てに裸の写真を撮られて学校の掲示板に貼られたりした。


もちろん抵抗したが、返り討ちにされた。


向こうは男子六人、女子二人の計八人だ。


多勢に無勢というやつだ。


俺はボコボコにされ、リンチされ、抵抗しようという気力すら削がれた。


担任教師は、俺がイジメられていることに気づいていたが助けてくれなかった。


それどころか、俺が相談しようとしても決して話を聞こうとせずに、隠蔽しようとした。


多分自分の担当するクラスでいじめが起こっていることを外部に知られたくなかったんだと思う。


そんなクズ教師の担任と違って、生徒の中には何人か俺に手を差し伸べてくれた人物もいた。


隠されたものを一緒に探してくれたり、孤立する俺に話しかけてくれたりした。


だが、ある日を境にそういう生徒もパッタリと俺に関わらなくなった。


これは後日知った話だが、俺を助けたやつはリンチするといじめっ子たちに脅されていたらしい。


皆、自分が次のいじめのターゲットになってしまうことを恐れて、俺を遠ざけるようになった。


俺に味方はいなかった。


教室に俺の居場所はなかった。


俺は次第に、朝起きて学校に向かうことに苦痛を覚えるようになり、月曜の朝になると吐き気を催すようになった。


そんな日々が続いた結果、俺は引きこもることを選んだ。


学校に行かなければ物を隠されたり暴力を振るわれることもない。


俺は部屋に引きこもって一日中ゲームをするという生活を送り始めた。


親は初めのうちは「学校へ行け」「虐められている?男ならやり返して見せろ」と煩かったが、俺が頑なに部屋から出ないでいると、そのうち何も言わなくなった。


そして毎日一食だけ、食事がトレイに乗せられて部屋のドアの前に置かれるようになった。


俺は毎日その一食だけ運ばれてくる食事を食べ、後は寝るかゲームをし、三日に一回ほどお風呂に入るという生活を送り始めた。


寝る時間も起きる時間も、飯を食べる時間もバラバラで、起きている時間はひたすらゲームをするだけの廃人のような生活だったが、それでも学校生活よりはマシだった。


そんな状況でも、たった一人だけ俺を外に連れ出そうとして放課後に家まで来たりしてたやつもいたが、そいつも俺がドア越しに本気で怒鳴ったら家に来なくなった。


外に出ようとは思わなかった。


俺にとって外の世界は地獄だった。


このまま一生部屋の中に篭ってゲームだけしてればいいとそう思った。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る