27,南禅寺→永観堂

三門は入口からちゃんと入ればすぐにわかるほどの大きな門になっている。普通はこの門を通ってから南禅寺の観光をするのがベストなのだろうが、俺は真っ先に水路に行ってしまっているので通っていない。これから通る。




(でけぇ)




しっかりと正面の道から見上げているが異常に大きい。これが南禅寺のシンボルと言われているのも納得するものだ。木造建築であり瓦屋根という、もはや門というより建物といった印象か。近くからでは確実に写真におさめることのできないくらい大きい。昔の人間はどうやってこんな大きな門を作ったのか興味はある。ただ大きいだけではない。緻密な模様や左右のバランス、設計など今でも最高レベルの代物だ。何年もかけて作り上げたので俺にはその人々の執念さえ伝わってくる。




(圧巻だ)




俺は写真を正面から撮るとそのまま門に歩み寄った。門をくぐるという言葉がこれほど似合う門は無い。あまりの大きさに門の下をくぐるのはさながらトンネルをくぐる感覚だ。門をくぐる際に木が段差のようにあるが絶対に踏んではいけない。これは常識ではあろうが一応共有しておく。この三門実は上に登れる。楼上と呼ぶらしいが門の上から京都を眺望できるがお金はかかる。拝観料はそこまで高くないはずなので余裕があれば上ることをおススメする。




(もちろん登ったことあるぞ)




かなり昔に登ったのであまり覚えていないが「高所恐怖症」にはきついかもしれない。当たり前か。三門はこれくらいにして他を回るために歩いている。




(見どころというかなんかややこしいんよねここ)




ここには水路、三門以外にも「南禅院」「庭園」「方丈」など見るところは多い。けどもなんかわかりにくいので俺は寄らない。もちろん一度は訪れたことはあるが、そこへ入るのに拝観料をそれぞれ払う場合もあるので金欠ケチケチ大学生としては目当てのところしか行かない。庭園はもちろん枯山水庭園なので、綺麗であることは間違いないし、見たいが今回はパスさせて頂く。見たい人がいたら是非寄ってみて欲しい。敷地がやけに広いので少々歩くだろうが見つけてみてくれ。




(京都に慣れてくると目的地以外は割愛しだしてしまうんだこれが)




これは悪いことなのかもしれない。けれど行きたいところが具体的になるのもまた慣れてきている証拠。しっかり参拝するのを忘れなければ問題ないはず。南禅寺でもしっかり参拝を忘れないようにしなければならない。




ほとんど水路をメインで見ていただけだがそろそろ南禅寺を出ることにする。もっと見ようとすれば見れるがなんせここには「水路」を見に来たと言っても過言ではない。




(ガチ勢に怒られるわ)




人の目を気にしてたら1人旅なんてできないので自分がやりたいことができればそれで充分だ。




(ふぅ、じゃぁそろそろ出るかな次もあるし)




次の目的地はすぐ近くにある永観堂禅林寺。南禅寺に寄ったならば是非セットで来ておくべき場所だ。


南禅寺から永観堂までの生き方は複数ある。なんせここ南禅寺は出口が複数あるのでそれぞれどこからでも永観堂へ行けるのだ。




三門を背に真っすぐ行ったところにある出口から出た場合は、南禅寺を右手沿って進んで行く。三門の北側(正面から向かって左)の出口から出た場合はそのまま直進すればいい。どちらにしろ南禅寺に沿って北に進めば大丈夫だ。難しくはないし多分看板はあるはず。覚えては無いけども。




(南禅寺正面の方の出口からでいいや)




俺はこうして南禅寺を後にした。








いやはやこの南禅寺というお寺は敷地が広いので緑が多い。つまりはかなり外見だと緑に囲まれている土地だということだ。もう色んな所で「緑だ」とは言っているものの、見せる顔は少し違う。一概に緑と言っても見て感じるものは違う。祇王寺は苔というわかりやすい緑があればいいのだが、そうでない場合「木や草」という言葉では違いを表しにくいもので構成されている。細かく表現できればいいのだが生憎そこまでの感受性は持っていない。




(囲まれている南禅寺パイセン最高っす)




南禅寺を右手にして進んでいると途中でY字路など出てくるが、とことん南禅寺に沿って行かないと永観堂に着かないので注意。だけども細道には行かないように。南禅寺を沿り終えると道路に急に木造の門が現れる。




(車通れんのかこれ)




何で門があるのかよくわからないが風情と言えば風情になるのだろうか。だが、ただでさえ広い道ではないのに門が設置されていることで車が通るのが難しそうに感じる。運転手だったらここは通りたくはない。こんなところに門が設置されていることもまた京都っぽい。




何かしら理由はあるのかもしれないがわからない。




(タクシーの人ここ通んのかな)




そんなことを思いながら門を通り過ぎる。通り過ぎると高校が現れる。「東山高校」という高校だ。なんかスポーツが強そうで、垂れ幕が多くかかっている。将来有望選手の卵が多いのかもしれない。




(こんなところに高校があるなんて羨ましい)




京都好きからすると本当に羨ましい限りだ。この永観堂に行く道は結構好きだ。高校に着くまでも石垣が両脇に設置されていたりちょっとした城壁らしい白壁もある。水の通る側溝もまた美しい。石垣には苔が生え、そのすぐ下を流れる水ととてもマッチしている。木のトンネルとは言わないがそれに近き何かを感じる。非常に落ち着く和のテイスト。




(素晴らしい)




東山高校を抜けてT字路に差し掛かると右手に出現するお寺。これが次の目的地「永観堂禅林寺」。

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