第68話 感想会
前書き
話しが進まないので、今日は2話更新していこうと思います。
なんとか完結まで走り抜けたいと思ってます。応援してくれるととても嬉しいです。
夕方ごろに上げると思います。
「うわぁぁぁぁーん」
「救いはないのですか…二人とも死んでしまって…」
「悲しすぎる、全米が泣いちゃうよ、お兄ちゃんこんなの劇でやるの? ハードル高くない?」
「はぁ…すごい話だったね。戦闘シーンもすごかったし。これは確かに今世紀最大の問題作とか言われるのも頷ける」
四人は何とも言えない気持ちで放心する。
決してハッピーエンドとは言えない結末。
しかし感情に訴える荘厳な音楽と、迫力の戦闘シーン。
そして悲しいシナリオ。
すべてがとても高いクオリティの映画だったので感情を揺さぶられ剣也の涙腺もゆるゆるになる。
「しかし神話からとはいえ、悲しい話だったね」
「事実だったりして…ダンジョンの武器も現実に存在するしあれ、神器なんじゃない?」
「確かに実際勇者もいるしね」
「もし事実だとしたら彼らはどうなってしまったんでしょうね。やはり死んでしまったのでしょうか」
「そういう話だったからね。二人に救いがあるといいんだけど」
とても救いがあるとは思えない話。
その日はもう深夜なので、寝ることにする4人。
布団の中で剣也は考えた。
勇者のこと、魔王のこと、ダンジョンのこと。
まるで作り話とは思えない今日の映画に思いをはせて。
…
「ほう! 早速みられましたか! いかがでしたかな? 琴線には触れましたか」
昼休み。
教室で僕は大和田と新訳ラグナロクの議論を交わす。
「心に響いたよ、ハッピーエンドじゃないのがとても苦しかったけど…」
「そうですな…。世界は救われたとはいえハッピーエンドとはいえんでしょう。犠牲の上に成り立つ幸せを表現していると私は思いますな!」
「犠牲か…最後二人はどんな気持ちで死んだんだろうな」
「それは考察の余地がありますが…私は、魔王は最後まで辛かったと思います。それが罰なのでしょう。勇者は…やり遂げたでしょうか」
「もともと勇者になったユミルは生贄を了承してたしね。そう思うとユグドだけが悪くなっちゃうけど…ユグドが悪いとは思えないんだよな」
「はは、御剣氏はお若いですな。正義の反対はもう一つの正義をまだ未履修とは」
「なにそれ、すごい名言って気がする。確かに正義の反対は悪じゃないよね…別の正義か…確かにな」
「有名なセリフなのですがね。だから戦争は起きるし、憎しみの連鎖は止まらないのでしょうな。いやはや、なぜ世界はアニメや漫画を楽しむだけでいられないのか」
大和田と剣也は、昼休み一杯議論を交わす。
大和田の口から次々とでるアニメのセリフだろう名言達が剣也に刺さる。
特に正義の反対はもう一つの正義。
これはわかる。正義の反対は悪ではないのだろう。
誰もが主義主張を持っていて、立ち位置によって見方は変わり正義も変わる。
剣也の中にある正義ですら、誰かからみたら悪なのだろう。
じゃあ、悪の反対はなんなんだ?
悪の反対は正義なのか? 悪の反対はもう一つの悪なのか?
議論は尽きることはない、答えは誰も持っていないのだから。
学校が終わり剣也は倉庫へ向かう。
「剣也君、今日も倉庫ですか?」
「うん! だから今日はごめん先に帰ってくれる?」
「わかりました…」
少し寂しそうなレイナを置いて剣也は倉庫へ向かう。
レイナはなにやら女の子達に囲まれて遊びに連れていかれるようだ。
よかった同級生の友達ができているみたいで。
…
(さてと、今日から錬金の種をひたすら作るか)
「ステータス!」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
名前:御剣剣也
DP:142300pt
職業:錬金術師
・錬金Lv13(+1):次のレベルまで100万pt
(ランクAの武器を日に10回錬金できる:知力10に付き+1回)
(ランクEの武器を無限に錬金できる)
(装備品を錬金の種に変更可能 錬金の種:同ランクの錬金に使用できる種)
・ステータス錬金LvMAX
(現状のステータスを自由に振り分けられる。念じるだけで変更可能)
◆装備品
武器:【メタルスライムの剣Lv1】
頭 :【帝の兜Lv1】
胴 :【深淵龍の鱗鎧Lv1】
手 :【帝の小手Lv1】
足 :【王蜘蛛の糸靴Lv1】
アクセサリー:【ゴブリンキングの首飾りLv1】
◆ステータス
攻撃力:0(+1400)▼0
防御力:0(+5500)▼0
素早さ:0(+1500)▼0
知 力:0(+400)▼0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(合計は、8800つまり88回の錬金ができるのか)
前回同様Bランク装備を進化させるのに必要な錬金回数は9000回。
レア度の高いメタルスライムの剣と古びた剣は進化させるとして、ゴブリンキングと王蜘蛛はどうするか。
「うーん、全部進化させるとなると36000回の錬金か。普通に嫌だな」
すでに錬金の過去がトラウマとなりつつある剣也。
「とりあえずメタルスライムの剣と古びた剣を錬金して、それ以外はダンジョンの装備で錬金しよう。そうしよう!」
ダンジョンを探索すればきっとC、Bランク装備がもっと手に入る。
剣也は逃げた。錬金地獄から。
実際BランクをAランクへと錬金するならば、ダンジョンで集めたほうが早い可能性もある。
なので、とりあえずダンジョンを進めながら錬金も進めることにする。
より良い装備が出る場合もあるので、無駄な錬金はしない。そう、無駄な錬金はしない。
決して嫌なわけではない。いや、素直になろう。
すごく嫌だ。
そして剣也は嫌々ながらも二つの剣を錬金した。
学校帰りの3時間ほどを錬金に費やして。
火曜、水曜、木曜、金曜、土曜。
五日間を費やしてついに剣也は二つの装備をAランクへと上昇させた。
「レイナ、これを」
「これがあの古びた剣ですか…見違えましたね」
「今日の30階層へのダンジョンで使おうと思って」
「先輩私もこの帝装備もらっていいんですか? 嬉しい、ありがとうございます!」
剣也達がいるのはダンジョン一階層。
今日は土曜、午前中に剣也は錬金を完成させて二人と合流した。
余った帝の胸当て、帝の具足を美鈴に装備させる。
王装備は、錬金の種にして美鈴のアイテムボックスに入れておいた。
この装備なら50階層だって目指せるかもしれないほどのオーバースペック。
敵になる魔物達が可哀そうになるほどに。
そして剣也達は一歩を踏み出し、ゲートへと。
「行こうか。30階層へ」
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