第67話 元気のないあー坊

 突然のあー坊。「あー坊」とはイチのことであります。

 赤ちゃんみたいなイチの可愛さを「あー坊」と呼び始めましていつの間にかイチよりも「あー坊」の方が定着してしまった夫婦なのです。


 だがしかし、この作中は「イチ」を通します。なのになぜ「あー坊」で始まったのか。


 それは、僕がイチのことを思う時に「あー坊」って考えちゃうからなんですね。


 イチ自身が自らを「あー坊」と呼びそれから数々の可愛いを炸裂させてくる姿を思いうかべるからですね。


 ここで描き尽くすには惜しい可愛いの数々…。


 おトイレで用を足す時に


「応援して!応援して!」


 とか言ってきたり。


 まさにあー坊ですね。


 そんなあー坊は年が開けてからというものとても元気がありません。パパはとても心配しています。


 あー坊にとって年末が一年のなかで一番の楽しみだったのですが。年齢が重なると同時に周りの環境も変わってきまして、昔のように思うように行かないことが多くなりました。


 特に大親友と一年に一度会える年末年始。結婚してからというもの、毎年あー坊にとって一番のお楽しみ。


 僕もあー坊と大親友のためにお酒やおつまみをかまえたり、楽しみでした。


 初日は必ずカラオケに行くのです。


 いつの間にかその人数も増えてきたりして。だけど、もう行かなくなってね。


 そのあとは家で朝までお話をするのです。


 次の日もその次の日も、こっちにいる間は決まった時間になると僕は大親友を迎えに行っていました。


 今でも変わらず帰省はしてますが、昔のようには連日連夜とはいかず、そればかりかたった一回数時間しか会えなかったり。


 わかってはいるんですが、やるせないですね。


 時間と共に環境も身体も変わってしまい。あの日とても楽しかったのが昨日のような感覚なのにね。


 あー坊だって朝までお話しようなんて体力はもうないです。だけどもきっと気持ちが繋がってない気がするのでしょう。


 でも僕はきっと大丈夫だと思います。


 あー坊は誰からも愛される実は男前女の子なのです。


 僕の前でだけあー坊が顔を出します。


 巡り巡ってまた同じような時間を過ごせる日がくるでしょう。


 これから我が家は心配事の応酬なのであー坊には早く元気になってもらいたいです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る