流れ落ちるもの
決着は既に付いた。相争った死闘の末に、男が膝を屈し女が立っている。
男の体には二本の剣が刺さっている。自身の剣と女の剣だ。対する女の胸には小さな短剣が生えるように貫いている。
勝ったのは男。死ぬは女であった。
女の姿が足元から、紙に描いた絵を水に浸す様に崩れ消えていく。
「俺が、憎かったのか」
「ええそうよ……愛しているわ」
そうして、いなくなった。
男の顔から血が一滴、頬を伝って零落した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます