流れ落ちるもの

決着は既に付いた。相争った死闘の末に、男が膝を屈し女が立っている。

男の体には二本の剣が刺さっている。自身の剣と女の剣だ。対する女の胸には小さな短剣が生えるように貫いている。

勝ったのは男。死ぬは女であった。

女の姿が足元から、紙に描いた絵を水に浸す様に崩れ消えていく。

「俺が、憎かったのか」

「ええそうよ……愛しているわ」

そうして、いなくなった。

男の顔から血が一滴、頬を伝って零落した。

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