あいうえお短歌2

楠瀬スミレ

1月11日 ネタバレだ!

 ね : ネットにて

 た : 嘆息漏らす

 ば : 「ばらすな」と

 れ : レッドカードを

 だ : 出すお母さん


 娘がツイッターを見て笑っていたので「なになに?」と聞いてみたら、子供を持つお母さんのツイートに、


「みんなのうたの『クマのぬいぐるみ』という歌で『パパのサンタクロースが』ってサンタのネタバレするのマジでやめてほしい」


 と書いてあったのだそうです。


 調べてみると、それは15時55分から放送される2曲のうちの1曲でした。動画を見ました。


 泣ける。心にジンとくる、いいお歌です。そうなんです。でも、


「5年前のクリスマスにパパのサンタクロースが買ってきた」


 という歌詞があるんです。それ、まずいでしょ。


 我が家はクリスマスイブの夜、二人の子供たちは120センチくらいのツリーにプレゼント用の靴下型のふくろ(手作り、大型)をひっかけてお布団に入りました。それからいつものように私が2冊絵本を読みきかせて、一緒に眠ったころ、パパのサンタクロースがこっそりプレゼント袋にプレゼントを入れに行くんです。プレゼントは事前にほしいものをサンタさんに何を頼むか上手に聞き出し、必死で買いに行きます。売り切れなんてことになったら、がっかりさせるだけですからね。ゲームをリクエストされたら、本当に大変でした。これ、パパには結構プレッシャーだったみたいです。そして翌朝、起きた子供たちはツリーのところへ直行! 袋の中のプレゼントを嬉しそうに開ける姿は毎年とても楽しそうで、私たちも幸せになる瞬間でした。


 下の息子が中学生になる時、サンタは実はパパだと子供たちにネタばらししました。すると、本当にその時までサンタを信じていたようで、その様子に私は心の中でガッツポーズしちゃいました。


 上の娘も12歳まで信じていたけど、その時のプレゼントに入っていた手紙が創英角ポップ体だったから、パパからだとわかってしまったそうです。なんとも娘らしい見破り方です。


 こうして多大なる努力をして楽しんでいる親子のファンタジーを、一気に崩しかねない歌を子供向けに流してしまうとは、由々しき事態! ……と、サンタを信じ切っていた本人と、だましきった母である私と、二人で笑ってしまいました。


 NHK様、どうかご配慮を。とってもいい歌なのは確かなのですけれど。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る