3 職業病

 二日前からお世話になっている彼に散歩に行こうと誘われたので、今日は散歩に出かけた。


 非番の日だとは言え、携帯がいつ鳴るか気が気ではなかったし、外に出るとパトロールのような感覚になってしまうため、断ったのだが頑なに「いいからいいから」と言われ、聞いてもらえず、結局近くの河川敷を歩くこととなった。


 どうにもあの柔らかい笑みに私は弱いような気がする。

 あの笑みを向けながらも誘われると、私は断れない。


 予想通り外に出て歩いていると、横断歩道を渡らずに車道に飛び出している子供がいるからついつい怒ってしまった。


 一通り説教した後で彼の存在を思い出し居心地が悪かったのだが、そんなことは気にしていないかのように彼は、またあの笑みを浮かべて「優しいんだね」などと言われてしまった。


 私のこれは優しいのではなく、ただの職業病だ。


 彼が呼んでいる。

今日の晩御飯は何だろうか。

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