第28話 もう一人の桜坂さん
桜坂さんが、カチューシャとロングヘアーのウィッグを取り外し、更にヘアネットも取り外すと……
「……どうですか?」
「颯太さん……///」
「……///」
俺は桜坂さんから声を掛けられた時、直ぐには返事が出来なかった。
それだけ、本来の桜坂さんも可愛らしい姿で有った。
ウィッグを外した桜坂さんは、ロングヘアー姿からショートボブ姿に変わった!
俺的はロングヘアー姿の方が良いが、ショートボブ姿の桜坂さんも良いなと感じていた。
「……うん!」
「その姿も、桜坂さんの幼さが強調されて良いね!」
「颯太さん!」
「……褒めてくれるのは嬉しいですけど、“幼さ”の言葉は要りません……」
少し顔を膨らませながら言う、桜坂さん。
本当に男性で無ければ、この場で絶対に抱きしめているだろう!!
「……ちなみに颯太さんは、どちらがお好みですか///!」
頬を染めながら、上目遣いで聞いてくれる桜坂さん。
間違いなく、髪型の事を聞いているのだろう。
「どっちだろうね。さくらさん!」
「まぁ、言うまでも無く、今のワンピース姿なら、ロングヘアーさくらさんが俺にはしっくりくるね♪」
「ロングヘアーにカチューシャは、俺の中では最高の組み合わせだと思うから♪」
「じゃあ、颯太さんのお好きな、ロングヘアーに戻しますね♪」
「颯太さんは、その様な女性がお好みでしたか♪」
桜坂さんは笑顔で言いながら、ロングヘアーウィッグの装着を始める。
俺も手伝おうとしたけど、桜坂さんは慣れた手つきでヘアネットを被り、ウィッグを装着していき、車内のルームミラーを上手に使って、ウィッグ微調整をしている。
「……さくらさんは、その髪型で学校に行っているの?」
俺はふと思った、疑問を口にする。
「はい。そうですよ!」
桜坂さんは考える素振りも無く、直ぐに答えてくれる。
「でも、さくらさん。毎日だと大変では無い?」
「夏場だと絶対蒸れるし、プールの授業が有ったら大変だよね(汗)」
俺は心配しながら桜坂さんに聞くが、桜坂さんは和やかな表情で言葉を返す。
「颯太さん!」
「私の事情は、全て学園に話して有りますし、それに教室も廊下も冷暖房が完備です!」
「お気遣いありがとうございます♪」
「流石に屋外での作業時は困る時が有りますが、激しい運動をしなければ落ちる事は有りません」
「体育祭もこの髪型で行いましたが、問題有りませんでした!」
「プールに関しては、授業の回数自体が少ないので見学にしています」
「その為、プール授業が有る、学期の体育成績は絶対、5には成りませんけど///」
最後付近の言葉は、後ろめたそうに話す桜坂さん。
それは、それで仕方ないだろうと俺は感じる。
「へぇ~、今時の学園は、フルの冷暖房完備か!」
「やっぱり、私立学園は違うな~~!」
「でも、どうして、ウィッグを付けるの?」
「さっきの姿でも、十分女性に見えるのに??」
俺がそう聞くと、桜坂さんは顔を上に向けて話し始める。
表情も大きな変化は無い。
「う~ん……」
「まぁ…、私がくせ毛の事も有りますけど、女性と言えばロングヘアーかなと思っただけです!」
「髪の綺麗な女性は、女性らしさが強調されますし、男子達の目線も違いますし、ピュアも演出出来ます♪」
和やかな表情で話す桜坂さん。
(でも、学園にも男の娘が認められているなら、ウィッグをわざわざする必要性も無いと感じるが……)
桜坂さんが、ロングヘアー姿が好きだと言えばそれまでだが、俺には言えない何かを隠している気がした。
(もう少し追求はしてみたいが、この時間も限られた時間だ!)
(この短い時間の間に、桜坂さんのお股確認まではしておきたい!!)
桜坂さんの普段の髪型と、本当の髪型を知る事は出来たので、今度は胸の方を聞いてみる。
髪に関する話は、今回はこれでお終いだ。
次回に持ち越せるだろう。今の関係なら!?
「桜坂さん!」
「髪の毛の事は分かったけど……その可愛らしい胸は本物?」
ワンピース姿で有る桜坂さんだが、その状態でも、女性の象徴はしっかりと視認出来る。
「!!……♪」
俺が胸の言葉を発した時、桜坂さん表情が、急に何かを企んでいる表情に変わった!?
「颯太さん……触ってみます。私の胸を…」
桜坂さんは誘うように言って、身体を俺の方に寄せてくる。
そして、俺が桜坂さんの胸を触りやすい様に、腰から上を右斜めに向ける!?
男の娘でも、胸を触れる機会がやって来た!?
この胸は本物なのだろうか……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます