第4話 狩り
今日は村が総出になっての狩りをするらしい。
俺は留守番を勧められたが自分から狩りの参加を申し出た。
アマンダたちの狩り姿を見たいと思ったからだ。
長老から剣と盾を渡された。
「イチロウも村の一員だ。一緒に狩りをしよう」
「ありがとうございます」
俺は深くお辞儀をした。
とんでもない大物を狩るということしか教えてもらえなかった。
熊か、マンモスか、まさか怪獣なんてこと。
近づくにつれ、妙な獣臭さが辺りに漂ってきた。
急いで首に巻いてあったスカーフで口元を覆う。
「一体、どんな生き物なんだ……」
岩の谷底に囲まれた場所にたどり着いたとき、すぐにわかった。
「これはまるで、ドラゴンじゃないか……」
巨大な羽が生え、ごつごつとしたトカゲのような肌、爬虫類のような目
巨大なワニにも見えるが本の挿絵で見た事があるドラゴンそっくりだった。
「イチロウはドラゴンを知っているのか?」
アマンダは俺の方を向いて驚いた顔をした。
「知っているというか俺の世界だと本やゲームの中だけの生き物だ」
「ドラゴンはアマゾニスでも美味しい食べ物だ」
「そう……なのか?」
俺の世界でもワニ肉とかあるからそんな感じなのか。
5メートルはあるであろうドラゴンは屈強なアマゾニスたちでも大変なのではないだろうか。
しかし、アマゾニスたちは怯むこともなく突き進んでいった。
先頭を走るのはアマンダだ。
アマンダは5メートルを超えるジャンプをすると手に持った大剣を振り降ろしドラゴンの左翼を斬り落とした。
アマゾニスの弓部隊が一斉に矢を放つ、正直、弓矢であのドラゴンの皮膚を貫けるのかと思ったが、ドラゴンの首元は皮膚が薄いのか効いていた。
俺は長老と一緒に狩りの様子を見ていた。
「アマゾニスたちが怖いか?」
「いえ、とても勇敢で素晴らしい方たちです」
「イチロウさんにそう言ってもらえるとあの子たちも喜びます。そう、アマゾニスは勇敢で誇らしいのです」
一郎は先陣を切って大剣を振り下ろすアマンダに心惹かれていった。
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