第1楽章 Andante 歩くように① 全ての始まり

それは、去年の秋でした。


入社したてのお仕事に慣れてきた頃、学生時代の友達と連絡を取り合っていたのです。それも、かなり頻繁に。だって、世界は前代未聞のパンデミックに自宅待機を強いられた時代。友達と会うことだって容易くない。だけど、私はまぁまぁ満喫していた。好きなだけ友達と共有時間を作っていた。


その中の1人に、しっつこい友人がいたんです。


聞いてくる質問はいつもこんな感じ。

 「いつ結婚したい?」


・・・。


うーん。えっと、考えてみて下さい。

私たち、今まで「ほぼ女子校」。


男性経験なんて、もちろんありません。

でも、将来は・・・家族がいて、家事をこなしながら、お仕事に奮闘・・・。なんちゃって。無謀な夢を抱いておりました。特に、女子力0の私はいつも彼女の議題には困っていて、「いつ結婚したい?」、「何人子供ほしい?」の質問に、少し面倒になりながら質問返し。「Mちゃんは、どうなの?」。すると、ポンポン返答が来るものでして・・・。


「26歳までに結婚して」・・「子供を2人」・・「専業主婦がいい!」などなど・・・。


・・・。なんで、そんな、具体的なの・・・。


てか、26歳って今22歳なんだからあと4年間しか猶予ないじゃん。こんな具合で、彼氏がいないのに関わらず、ひたすらこのような会話を度々続けているわけでして。しびれを切らした私はついに、このように思ったわけです。


この不毛な会話を断ち切るには、彼氏を作る、もしくは作れなくても男性と会う!!そうだ、男性とめったに会話しないんだから、免疫でもつけなければ!!と。そうして、Mちゃんとの会話の内容にもっと現実味を足してあげないと話は進まないわ!と思ったんですね。


そして、数ヶ月後。


私は宣言しました。

「じゃぁ彼氏作りしてみるわ!巷で流行っているマッチングアプリで!!」





しかし、これがなんとしんどくて、悲劇の幕上げであったことか____。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る