第133話



「100円で金貨1枚か……高い……けど稼げる!! 私はお酒が欲しい。 リキュール類を色々……そう色々」


この間美味しそうに飲んでたもんね。


「俺はコーラ。 前の飲み切ってしまった……」


いや……好きだね。 コーラ。


リキュール類はいいかも。 酒場でお試しで試飲出来るようにして味を知ってもらってとか。 それなら果実酒も一緒に出せるかな? これも普及したいもんね。 


あー……でも果実酒はお酒がな。 オーフェンさんのお酒造りが成功するのを祈ろう。 って別に販売するならいいか。


「飲み物以外には何かないかな? 一応色々取り寄せられるんだけど……」


「うーん……。 あ、爪切り」


「おーそれならハサミとかも欲しいな」


「それに文房具とか!」


「あー欲しい」


食べ物以外にもなんか出てきたな?


「日用品とかこまごましたの欲しいかな」


「そうなの?」


「ペンとかもあるにはあるけどやっぱりあっちの世界のは使い勝手良かったよ。 こっちに持ってきたのはインク無くなっちゃったし、ギルドに勤めてて思うのがバインダー欲しいなとか、インデックスも欲しい、つづり紐欲しいとか穴あけパンチ便利だよなとかコピー機欲しいとか」


結構出てくるな。


「それは作れなかったの?」


「作ろうと思ったけど……私作り方分からないし」


……そうだよね。 私も作り方知らないや。


「そういうの発展してほしいな」


「俺も冒険者やってて目も取るのにあっちの文房具便利だなって気づいたんだ。 ……気づいた時は使い切ってからだった」


なるほど。 食べ物以外にもそういうのもいいかもね。


こっちの人に普及するだけでなく、こっちで暮らす渡り人向けの商品もあっていいかも。 いいこと聞いたな。


「でも……普段使いには高いよね」


私がそうこぼすと


「まあ確かにな。 でも安くすると買えなくなりそうだし、それはそれで困る」


ぼったくりって言われるかと思ったけど、値段については案外受け入れられてる?


「あっちの商品が手に入るってだけでありがたいもんね」


そう言って笑う灯里。


「……何かないかな……あ」


「どうしたの?」


「灯里ちょっと聞いてもいい?」


「ん?なになに?」


「冒険者ギルドの依頼ってこっちのお金じゃないとダメ?」


渡り人向けに依頼を出せばいいじゃないか。


「特に決まりごとはないと思うけど? お金じゃなくても物で支払う人もいるし、ようは受ける人が納得してくれるものであればいいから」


「なら円で依頼を出すのも出来そうだね!」


「「!!」」


「何々?! 何すればいいの?!」


「何か取ってくるものなら取ってくるぞ!!」


わたしがそう言うと食い気味に二人にぐいぐい来られた。


「いやー……まだ内容は何も決まってないんだよね……渡り人にしかできない仕事ってなんかあるかな?」


「あっち関連の仕事かな?」


こてんと首を傾げる灯里。


「……翻訳とか?」


ぼそっと呟く高梨さんにピンと来た。


「翻訳いいね!」

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