第52話 効果



「おはよう~」


「おはよう」


むにゃむにゃと起きると昨日片付けしないまま寝てしまったので瓶とか出しっぱなしだった。


「……なんか良い夢見た気がする」


「………私も」


二人して寝ぼけたまま片付けをし灯里はそのまま冒険者ギルドへ私は朝食を食べて二度寝した。












コンコンコンッ…………ドンドンドンッ………ダンッ!ダンッ!



「桜居るんでしょ!!開けて!!私!灯里!!」


窓の外を見ると日が暮れていた。


夕方まで寝ちゃってたみたい。


ドアの外から聞こえる音で目を覚まし欠伸をしながらドアを開けた。


「どうしたの?そんなに慌てて」


「いいから!ちょっと中入るね!」


押し込まれる形で部屋の中に入り鍵をかける。


灯里は盗聴防止の魔道具を起動させた。


「桜!まままま魔力見た?!」


「え?見てないよ?寝てたもん」


「なら今見て!!」


「?」


灯里に言われるがままベッドに腰掛け魔法を出す。


「………え?」


昨日見た時は9,476,200だった魔力が10,000,000に戻っていた。


「は?え?………は?」


「やっぱり…」


「ってことは灯里も…?」


「うん」


 そこで夢だと思ったホテルの出来事を思い出した。


「あれ…のせい?」


「分かんない」


お互い困惑する。でも回復したのは事実で、思い当たることは夢だと思ったあれのみで…。


「…もう一回やってみる?」


「…………うん」


ごくりと喉を鳴らす灯里。


「その前にちょっと魔力減らしてみようかな?何かいる?」


「カタログギフト出すならそれで良いんじゃないかな?」


「それもそうか」


とりあえず魔法でカタログギフトを出す。


あ。


「ちょっと待って」


「どうしたの?」


「気になる事があって…」


もう一度魔法を使う。


灯里も私の様子が気になったのか隣に来て覗き込む。


食品のタブをクリックしてスクロールしていく。


「あ」


「これって…」


「昨日購入した商品だ」


そこには昨日夢の中で購入した商品が一覧入りしていた。


「って事は…」


アイテムボックスから財布を取り出す。


「レシート入ってる…所持金減ってる!!」


「私もアイテムボックス見る」


灯里も自前のアイテムボックスを開きガサガサ漁る。


「私も昨日買ったのある!」


ほら見てと見せられたのは生クリームたっぷり使ったチーズケーキだ。


「「……………」」


「次はどこにする?」


「どこでも良いの?!」


二人して真剣に選び始めた。

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