第6話真実
中学2年の時
周りに彼女が出来出した頃
俺は野球部であの子は一つ年上のバレー部の子でした。
田中 梨花
放課後
バレー部女子が校庭を走っている時
野球のボールがバレー部の方に転がり
梨花が拾いました。
透き通る様に白く華奢で綺麗な顔立ちに
見惚れて固まりました。
俺はまるでクリオネみたいだと
羽が付いた天使みたいで
梨花は
どうしたの?とボールを渡してきて
首を傾げると、ゆっくり微笑んだんです。
全てどうでもよくなるような
感覚でした。
周りの景色がくすんで
周りの音も聞こえない
梨花だけの時間の中で
ゆっくり動いているようでした。
それから
毎日梨花を目で追っていました。探して
見つけて、見惚れて、
中庭でよく、日向ぼっこをしていて
太陽の方に顔を向け目を瞑り、微笑んでた
休み時間はいつも温かい場所を探して
いました。
寒がりなんだなと思いました。
親友の咲也に好きな人出来たと報告したら
実は俺もと、
お互い好きな人を言い合いました、
2人とも、梨花でした。
まだ、中2です。
抜け駆けしない約束だけ、固くして
梨花のどこが好きか
どこが、綺麗か話しては、盛り上がり
ライバルである事はあまり意識していませんでした
俺も、咲也も梨花と話した事はなくて
中身はよく知りませんでした。
咲也とバレー部の練習もよく見に行きました。
バレー部の先輩の女の子で梨花と仲がいい子に
何度か話しかけられて、連絡先も交換していたので
その子に用事があるフリをして
行きました。
梨花は
しなやかで、綺麗で、キラキラしてて
だけど、何処か寂しそうな不思議な魅力のある子でした。
だけど梨花は後数ヶ月したら卒業です。
親友の咲也と
卒業式に2人で告白しようと約束しました。
ライバルなんだと、意識し始め
少しギクシャクしました。
多分、俺たちだけじゃない。
他にも梨花を好きな人はいるだろう
自分の存在を知ってもらわないと
そしてお互い見方になってくれる相談相手を作りました。
咲也は梨花と同じクラスのサッカー部の男の先輩に
面倒がよくてモテる先輩でした。
俺はバレー部の連絡先を交換していた子で
梨花の友達の女子に
その女の子から
梨花の写真をたくさん送ってもらえました。
梨花の私物も貰ってきてくれました。
それが、ベッドサイドのシャープペンです。
梨花の話をとことん聞いてくれる人でした
俺は梨花の友達と
梨花の話しが聞きたくて
電話の回数も増えました。
チーズが好きだとか
寒がりだとか
お酒が弱いとか
相談の為に会って話す事もふえました。
シャープペン欲しさです。
バカですよね?
気がついたら梨花の友達の女の子とばかり
いつも一緒にいたんです
咲也は梨花の連絡先を教えてもらっていました。
そして、仲良くなりたいと
何度か電話をしていたのです。
学校でも先輩の協力で梨花と話しをしたり
放課後数人で会ったりしてたようで
そんな事になってるのを、知らないのは
俺だけでした。
もうすぐ卒業
告白する相談をしてました。
咲也と一緒に告白する話しも
咲也と裏切らない!と何度も話しました。
でもその前に一度一緒に遊びたいと
思ったんで
咲也と一緒に梨花の友達の女の子に頼みました
4人で遊ぶ事に、なりました。
お酒を何本か買いに行きました
梨花の友達はタバコを吸っていました。
小学校の裏庭で集まる事になっていました。
梨花の私服が見れると、咲也と浮かれてました
梨花は遅れて自転車で来ました
シンプルな黒のパンツが細い足にピッタリで
梨花のスタイルの良さがひときわ引き立ってました。
緊張で俺と咲也はお酒を飲みました。
少し気が大きくなった気がしました。
でも、俺は全く梨花に話しかけられなくて
咲也は自然と梨花と話しをしてました。
何かしないと、、焦りばかりで
俺は
日陰ばかりの裏庭は梨花には寒いと思い
タバコを吸う梨花の友達にライターをかりました。
枯れ木を集め
焚き火をしました。
梨花は焚き火の側で丸く座っていました。
一つ何かしてあげられたと満足でした
梨花はお酒が弱いからと言っていたけど
コロナを飲みました。
夕方でその姿があまりに綺麗で今でも忘れられません。
夕日と焚き火に照らされて
コロナが琥珀いろに光りました。
本当に羽が生えてとんでいくんじゃないかと
思うほど、キラキラ光り、だけどどこか妖艶な雰囲気の梨花は夜の海を泳ぐクリオネのようでした
しばらく話したりしていると
梨花は寒そうにしていて、上着をかしました。
優しい笑顔でありがとうと言ってくれました
ちなみに
その上着はその日のまま、この部屋のあのクローゼットの中です。
急に梨花の友達が
態度が悪くなりだしたんです。
そして、梨花の事だけを
呼んでどこかに消えました。
しばらく時間がたって
梨花は帰ったからー!と、梨花の友達が戻って来て投げやりに言いました。
俺は何がなんだかわららなくて、
だけど
咲也は、何か知ってる様で
下を向いていました。
問い詰めたら
酷いものを見たと
俺なんで止めに行けなかったんだろう?と
咲也は頭を抱えてました。
誰に?なにが?と聞くと、梨花の友達のあの子だよと
俺は咲也の言葉がどうしても
気になり、別の日に、その子を家に呼びました
その子に言われました
全部
佑月が悪い
私はずっと佑月が好きなのに。こんなに尽くしたのに。気がつかないなんて、、、
ずっと一緒にいた
たくさん電話した
なのに、気がつかない
梨花の事ばかり
どうして私に気づいてくれないの?
たしかにそうでした。
俺は梨花の友達と卒業までの時間をほとんど過ごしました。
放課後会って、電話して。
梨花と関わることなく
咲也がその間、梨花との距離を縮めているのも知らずに
馬鹿でした。
その子は俺の上にまたがり、キスをしました。
色の黒いその子の唇は赤紫に近く
舌を入れてきました。
中2です、身体は勝手に反応しました。
下半身を触られて
思わず、その子の口に舌を入れ夢中になりました。
だけど、唾液の匂いがして、すごく汚いと感じ
その子を突き飛ばしました。
酷い、とその子は睨みました。
俺は何も言えないままでした。
その子が
今更
梨花に告白しても無駄だよ!と
俺は
は?と、、、何を言ってるんだ?と
梨花には
私は佑月と付き合ってるんだと話してある。
だから
4人で遊んだ時だって
咲也が梨花と遊びたいとしか言ってない。
梨花は疑わない
周りも疑わないよ
だって私はいつも佑月といたじゃん
バレー部も見に来てた。
皆んな私の彼氏は佑月だと思ってるんだからって、言われました。
4人で遊んだ時、佑月は梨花に上着を掛けた
梨花は私の彼氏って思ってるのに!
彼氏だって言ったのに。
ありがとうって、佑月の上着を掛けたままだった!
許せなかっただから、、、
なんでもない、、、
え?
だから?だからの続きは何だよ?
梨花が帰った理由だろ?って聞いたら
その子は黙っていきなり帰ったんです。
会社の先輩達は横槍いれず、ただ長い話をまず
しっかり聞いてくれた。
卒業式3日前
咲也が梨花に告白したんです。
咲也が相談してたサッカー部の先輩が
梨花を放課後呼ぶから
告白しちゃえよ!と言ってきたと
後で聞きました
告白をすると
返事は考えさせてだったと、聞きました
だけど
咲也が告白するから
考えさせてと答えてから振ってやってと
サッカー部の先輩が梨花に言っていた事
を、後から知りました
咲也も真剣に協力してもらえていない
俺は思い通りにいかない事がありすぎて
頭にきていて、
咲也を呼んで話しました
そして先に告白した事を責めました
そしたら
梨花の友達とキスしたんだろ?
ならもう梨花はいいだろ?
と
俺は思わず殴りました。
咲也は
オレは本気なんだよ、梨花の友達とキスしてる佑月に殴られる筋合いは無いと
殴りかえされました。
たしかに
咲也は本気で梨花が好きだ
ちゃんとしてないのは俺だとおもいました。
だけど
話して欲しかった。
俺の話しも聞いて欲しかった。
俺の勝手な理想ですが、
咲也は次の日振られました。
俺は卒業式に告白するか悩みました
だけど、梨花はボタンをもらってくれと囲まれて近づけませんでした。
そして梨花の1番側には
咲也が相談してた。サッカー部の先輩がいたんです。
そして、自分の学ランを梨花に着せて
梨花のブレザーをサッカー部の先輩が着ていました
咲也は
俺騙されたんだな?とつぶやきました。
俺にキスしたあの子は俺から離れませんでした。
卒業して半年たっても、忘れられなくて、
やっぱり告白しようと決めました、
気持を伝えるだけでもと、思いました
俺は咲也が相談していたサッカー部の先輩に梨花の連絡先を聞きました。
だけど連絡先を知らないと言われました。
知らない訳が無い、そう思いました
だけど、教えてもらえ無かったので
駅で待ったりもしました。それでも会えなくて
他の先輩や梨花の同じ高校に行った人にも聞きました。
全ての人が梨花の連絡先をしらないと答えました。
そんなはずはないと
なんで教えてくれないんですか?と
聞きました。
皆んな、知らないだけだよと
答えるんです。
俺も、もう卒業する頃になってました。
俺はずっと探しつづけました。
でも見つからなくて、
噂で
咲也に協力してた、サッカー部の先輩は
中学から梨花が好きで、
卒業してから
梨花に押して押して半年くらいかけて
梨花に告白してフラれたそうです
だから
誰も、教えてくれなかったんです。
俺は自分がこんなに弱い人間だとは思いませんでした。
リカの友達のあの子、親友の咲也、咲也を応援するフリをしていたサッカー部の先輩
誰一人梨花の連絡先を教えてもらえなかった
俺、
俺は人間不信になり引きこもりました。
誰も信じられなくて
酔って暴れて人を殴って問題を起こしたりしました。
どうにかまともになろうと
バイトをしても人間関係が作れなくすぐ辞めて、その繰り返しでした。
特に女の人は日に日に苦手になりました、
モテればモテるほど、嘘っぽくて、気持ちが悪くなりました。
人を避けていました。
今の会社に入り先輩達に会いました。ラグビーに誘ってもらい、
俺は救われました。
だけどこの、妄想の詰まったアパートを作ってしまいました、
想像で梨花と生活している気になってました。
どんどん梨花は美化されて
他の女の子がますます気持ち悪くなるようになりました。
そして、梨花じゃないなら誰とも付き合いたくない
もし、梨花に2度と会えないなら
童貞で1人のままでいい。と決めました
これが、未だ童貞の俺です。
いつ、梨花に会ってもいいように、オシャレをして車を買い、スタイルを保ちカッコつけてる俺の情けない真実です
俺はみっともない泣き方をしながら夜中まで話し続けた
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