主人公

 桜が咲き始めた。


 教科書の内容も、テレビに映るニュースも、いまいち頭に入らないのは君のせいである。それはまるで全ての情報の中心に君がいるようで、だから君は国の統治者でも、凶悪な犯罪者でもある。


 強い風が桜吹雪を誘う。


「君は世界の主人公じゃ無かったのかもしれない。」

 居なくなってしまった次の日に満開の桜。

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