愛され子

 月光が差す。私を照らさないで欲しい。闇に紛れていたい気分なの。

 そんな祈りとは対称的に身体は重たくなってゆく。


 ───なんて美しい子だろうと月は微笑む。


 美しいあなたを隠したくないのに。

 その瞳から落ちた雫は大地へと帰って行った。


 夜は明けて。白銀に染まった世界に太陽は煌めきを与える。

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