3/10 NATOと ワルシャワ条約機構と CIS

 NATOはウクライナ問題によってよく耳にするようになったことでしょう。


 前二つは冷戦時代に関係しています。第二次世界大戦後、イギリスは消耗し、植民地の独立に苦しみました。そして、世界を二分した大国がアメリカとソ連の二国になりました。ある時イギリスのチャーチルがソ連側国家は鉄のカーテンを閉じてしまった、と発言し、対立が露見しました。

 そして、アメリカと西洋諸国と日韓はNATOを結成し、ソ連はワルシャワ条約機構を結成して互いに睨み合いました。これら二つは軍事同盟です。例えばソ連が日本に侵攻したらNATOは一斉にソ連へと反撃します。東ドイツを西ドイツが侵攻したらワルシャワ条約機構は一斉に西ドイツに反撃します。このように相手国への侵入は全面戦争に陥るような同盟を互いに作りました。


 その後、ソ連は力を失いワルシャワ条約機構は解体し、ソ連邦自体も崩壊しました。旧ソ連諸国は、CISという見かけ上の連携を持っていますがあってないようなものです。しかし、NATOは今も残っていました。

 そんな時にロシアの至近距離のウクライナがNATOに入ると言われたら、それはもうロシアは危ない訳です。ロシアの勢力が拡大できなくなりますし、NATOと戦争になれば戦場はロシア本国になり、自国のインフラも工場も農地も都市も破壊され、重大な損害を負います。

 戦争は当事者国同士の国土ではあまり行われません。どちらの国も損害を受けないような第三国で行うことがその国にとってみれば望ましいのです。もちろん、なんの非もない国が戦火に巻き込まれてしまうことはしょうがない、と言う意味も含みますが……。

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