無窮自在の冒険譚 ~とある転生者は全てを支配する~

ねくしあ@『暗殺者』毎日投稿なう!

序章:転生

#0:プロローグ

「はぁ……今日も学校疲れた~……あと一ヶ月で春休みだがそれまでが長いんだよなぁ……」


 そんな独り言を呟くのは俺こと時田 空夜ときた くうや

 いつものようにパソコンを起動し、いくつかやることを済ませてぼーっとしていた。


「ん? なんだ? ……この光は?」


 今は少し夜にさしかかってきた頃。

 それが気づかせてくれたのだろう。

 ――――窓の外から差し込む光が突然明るくなったのだ。


「えっ……? 一体なにが?」


 不安と少しの好奇心に駆られた僕は窓の外を見る――なぜだか首が全然動かないが――。

 すると、真紅に燃えた隕石が見えた。


「はぁ……!? 何が起きてるんだ!?」


 隕石の衝突まであと数分だろう、というのを直感で理解できるほどの近さだった。


「あぁもう! なんでこんな事になるんだよ!」


 ――――人生の終わりをもたらすものがこんなに近くにあるのに、

 その終わりをどう迎えようか、なんて考えることは殆どしなかった。


「はぁ……どうせなら隕石の光とかを目に焼き付けてから死ぬとしよう。

 恋人もいないわけだし。多分誰かに通話かけてもパニックで話にならないだろうな。そんなんになるなら珍しい景色を見たほうがよっぽどいい! あー、早く落ちてこないかな!」


 笑い混じりに隕石の落下を、自らの――世界の全生命体もなのだが――死を願う。


 そして数分……恐らく二分くらい経った後。

 隕石が更に近くなり、その熱を感じ始めた。

 その後すぐに全身から汗が滝のように流れるほど、暑く、熱くなった。


「あぁ……も……う僕は……ぬんだろうな……」


 隕石のせいだろうか、身体が全く動かず身動きがとれない。

 身体が浮いている気がしてきた。何かにぶら下がってるような感じだ。


 それに息もできない。暑さもあってとても苦しい。

 今にも身体がドロドロになりそうだ。


「ぁ…………」


 声も完全に出ない。

 瞬きもできない。少しだけ見える視界はすべて、隕石で埋まっている。


 数秒後、隕石の全体が青く煌めき始めた。

 その光はとても――今までの人生で一番というほど――綺麗だった。

 綺麗さに思わず目を奪われていた。


「ん? なんだ、これ……?」


 すると突然、床に白色に光る魔法陣らしきものが現れた。


「え? え?」


 さらなる突然の出来事に思わず焦るが、その次の言葉を言う暇もなく陣が煌めき、二つの光が視界を覆い尽くす。


 そしていつの間にか意識を失っていた。

 ――――それが、に見た景色だった。


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