こうして僕は介護福祉士になった…

杉浦 悠

介護士になったきっかけ。

介護職、所謂世間からは3Kと言われている。



汚い、臭い、キツイ…


これは正解だ。


では、何でそんな世界に僕が入ったのか。


それは、知り合いから


「やってみたら」と勧められたからだ。


僕はバンド活動に為に上京していた。


そして、30歳までに目途が出なければ地元へ帰ると決めていた。


地元、実家に戻って来て思ったのは、


「何をしたらいいのだろう…」だった。


仕方なくバイトを初めて生計は立てた。


やりたい仕事も無いし、


何もかも全てがどうでも良かった時期。


ハローワークへ行く。


たまたま見つけたSと言うデイサービス。


未経験者歓迎みたいな事が書いてあった。


すぐに連絡してもらい面接へとなった。


面接が終わり、今度は知らないおじいちゃん・おばあちゃんと

会話の実地試験となった。


全く、認知が無いおばあちゃんと話をしたら


家が近いと言われたが、後は覚えていない。


数日後、僕は合格となりNと言う地域にある

デイサービスへ就職した。


しかし、問題が起きたのだった。


5日くらい働いたのだけど、


今度はJと言う地域の職員が急に辞めてしまい、


人手不足だからと言う事で


Jに異動となったのだ。


夜勤が出来る人がいないと言われ、


僕は異動して一週間後くらいに


夜勤と言うのをやった。


勿論、最初の二回かな?は見習いだった。


夜勤を一人で出来る様になった。


今度は


僕にも何人か後輩が出来た。


そんな調子で介護の世界へと足を踏み入れたのだ。


しかし


ある事故で利用者のHさんが転んでしまった。


僕の責任である。

その日、夜勤だったので、


ずっとその人の痣が出来た顔を見て謝っていた。


「えーんだよ」と、笑いながら応えてくれた。


この日を境に


僕は人の命を扱う介護って言う仕事に


恐怖を覚えて


これから数か月後には辞表を出した。


それからも、やりたい仕事もなく、


仕事を変えても長続きしない、何一つ満たされない日々を


送っていた。


「あなたは介護が似合う」と、友達や、友達の奥さんに言われた。


そんなある日、Jで一緒に働いていたMと言う女性からラインが来た。


「杉浦さんは、絶対に介護が良いと思うな。私も、違う施設で介護をまた始めた

よ」的な文章だった。


後は、当時一緒に働いていた管理者と結婚をした報告だった。


この二人をくっついたのは、少なからず僕のお陰だった。


それから数年して


僕は地元でもそこそこ大きく有名な介護施設の面接を受けた。


「ここ受けてみたら?」と、勧められたからだ。


その場で合格を貰った。


最初はAと言う地域にある小規模多機能で働く事となった。


それからBと言う地域の小規模多機能へ異動して


今はCにあるショートステイで働いている。


最初のデイサービスを含めたら、すでに6年間くらい


介護の世界で生きている。


そんな僕が、日々思っている事や、


介護だったり、利用者だったり、その家族だったり


仕事とは関係ない事だったり


バンド時代の話を自分のペースで書いていこうと思う。


僕にとって介護とは、『綺麗事の世界では成り立たないもの』だと思う。


全く興味がなかった僕が出来るのは、何でだろう?


今でもその答えが解らない。


それに、いくら人に『向いている』と言われても、そうは思っていない。


仕事が無いから、簡単に合格しそうだから、興味があるから、楽そうだから等の


中途半端な気持ちでは、介護はやらない方が良い。


むしろ、もっと良い仕事はたくさんある。


確かに、介護の仕事も全てが悪い訳ではないし、良い点だってある。


だけど、僕個人としては、中途半端な気持ちの人には勧めない。


誰にだって出来ると、勘違いしてる人も居る様だけど、そんな甘い世界でも仕事内容

でもない。


だから、求人を見たりして応募する前にしっかり考えて欲しい。




『自分は、介護職に向いているのだろうか?』と、真剣に。


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