「隣の席の美少女をナンパから助けたら、なぜかクラス委員を一緒にやることになった件」~リエナIf~ 異世界を救って帰還したら聖女がついてきたので、同棲して甘々ラブコメしながら面倒をみようと思います。
第17話 テーマパークでデート ~リエナ、勇者に膝枕をしてもらう~
第17話 テーマパークでデート ~リエナ、勇者に膝枕をしてもらう~
「どうだ、大丈夫か? 無理そうだったら正直に言うんだぞ? 俺とリエナの間で遠慮はなしだからな?」
俺は自販機でペットボトルを買ってお茶を飲ませると、ベンチに寝かせて膝枕をしてあげながら、そっと髪を梳くように優しくリエナの頭を撫でてあげた。
「すみません……勇者様に、大変なご迷惑を……おかけしております……でも少し休めば大丈夫かと……」
青い顔をしてかすれた声で、つぶやくように答えるリエナ。
「いいや、俺の方こそごめんな。リエナがあそこまで怖がるとは思わなくてさ。リエナをビックリさせようって思っちまったんだ」
これは完全に俺の想定外だった。
「勇者様が『覚悟を決めろ』と最初におっしゃった意味が骨身に染みました……さすがはドラゴンの名を冠するだけのことはあります……というか勇者様はよく平気でしたね……?」
「こっちの世界じゃこれくらいのジェットコースターは割と普通だからな」
「そんな……この世界の人たちは……これよりももっと過激な娯楽を楽しんでいるんですか……すごいです……とても理解が及びません……」
「『オーフェルマウス』はほとんど娯楽がなかったからな。だからリエナもこういうのには全然耐性がなかっただけだよ」
「はい……」
「でもきっとリエナもすぐに慣れるさ。楽しい世界だからさ、ここは。魔王もいないし平和だし。今日はちょっと俺が急がせすぎちゃったけど、これから少しずつ色んなことを一緒に経験していこうぜ」
「ありがとうございます……」
「ま、先のことはともかく。今はしばらく静かに休んでいるように。これは勇者としての命令だからな」
「はい、お言葉に甘えさせてもらいますね……」
そう言うと、リエナは黙って目を閉じたまま俺に撫でられるままに身をゆだねた。
俺もリエナが少しでも落ち着くようにと、優しく優しくリエナの頭を撫で続けてあげる。
「んん……っ」
時々くすぐったいのか、身体をピクッとさせながら小さな声を上げるのが可愛らしい。
でも心身ともに割と頑丈で滅多に弱さを見せないリエナが、こうやってヘバってしまってバタンキューしているのは本当に珍しいんだよな。
それを考えると初めてのアトラクションにするには、こいつは過激すぎたんだろう。
そこは大いに反省しないといけなかった。
というわけで、次のアトラクションからはゆったり系を中心にするとしよう。
せっかくのデートなんだから、俺だけじゃなくてリエナにも楽しんでもらわないと意味がないからな。
そうやって休んでいるうちに、すぐにリエナは復活した。
魔王を倒す旅を一緒に5年もやっただけあって、リエナは身も心も本当に頑丈なのだ。
すっかり元気を取り戻したリエナと共に、俺は再びテーマパークを巡り始めた。
今度はゆる系アトラクションの王様メリーゴーランドに挑戦してみる。
絶叫系アトラクションと比べて人気はやや劣るのか、まったく列がなかったのですぐに乗ることができた。
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