三国、西晋
【初心者向け雑解説】どんな時代なの?――⑥三国・西晋
というわけで「三国・西晋」枠ですが、日本人が大好きな『三國志』の時代です。さも当然のようにスコップ予定リストが最も多い枠ですねハイ。
ちなみに皇帝に逃げられた長安の
この時点での中原では、後漢中期に清廉潔白な官吏として名を馳せた
対立していた曹操が皇帝を保護した事で、出し抜かれたと思ったのか、或いは後漢皇室の権威も地に落ちたと思ったのか、袁術は国号を「
しかし諸侯が膝を屈するわけもなく、逆に同盟を結んでいた諸侯からも見捨てられ、全方位フルボッコにされて袁術は滅びました。
そんな袁術が滅びるのと前後して、
一方で袁紹は、同族の袁術とは違って対立していた
こうして
この曹操と袁紹の戦いは、直接的な対決となった「
ちなみに一時は曹操の下にいた劉備ですが、この辺りで曹操の下から離脱し、手勢の部下たちと一緒に放浪を始めます。小説『三國志演義』では、この劉備一党が主役として描かれる事になります。
さて、華北一帯を曹操が手にした頃、南の長江流域はどうだったかと言えば、上流域の
益州の劉璋は父の
この孫策は「
ちなみに放浪していた劉備は、中流域である荊州の劉表の下に滞在する事になり、この時に「
華北を統一し、後漢皇帝も自分が擁立している曹操は、このまま天下に手を伸ばそうと南へと目を向けます。
ちょうどそのころ荊州を治めていた劉表が亡くなり、子の
荊州を手に入れた曹操は、そのまま東に向かって揚州の孫権を攻撃しますが、疫病やら火計やら色々あって大量の死者を出した為に曹操軍は撤退します。(
戦勝の勢いのままに荊州に攻め込む孫権軍(と劉備軍)は、荊州から曹操軍を追い出しました。
天下統一の出鼻を挫かれた曹操ですが、豪族が割拠していた
その間に孫権と同盟を組んだ劉備が、荊州を拠点にして益州の劉璋を降伏させ、曹操に負けた馬超も引き入れたりしながら、天下はいつしか曹操、孫権、劉備の三者で争われる形(
三国がぶつかる真ん中の位置にある荊州は、劉備の勢力が抑えており、彼の義弟であり
本来は劉備・孫権の同盟で北の曹操と戦う予定でしたが、この荊州の利権問題で両者の関係が崩れていました。ここで孫権はこっそり曹操と結んで挟撃。関羽を討って荊州を取り返します。
この関羽の死から間もなく、曹操が亡くなる事となりました。
曹操の死後、その息子である
後漢王朝の滅亡を聞いた劉備は、彼がもともと前漢の
前漢(西漢)、後漢(東漢)に対し、
そんな劉備は義弟・関羽を討った孫権が誰よりも許せませんでした。「後漢皇室を滅ぼしたのは曹丕なんだから、曹丕が敵でしょうが」という部下の反対を押し切り、北の曹丕なんて放置で孫権に戦いを仕掛けます。
序盤は攻め込んだ大軍勢が荊州を蹂躙しますが、孫権軍の
夷陵の敗戦で劉備自身も鬱になり、間もなく病死します。
劉備の息子・
そんな魏・蜀に遅れて、揚州の孫権もまた皇帝の座に就き、国号を「呉」としました。
こうして天下を三つの王朝(三人の皇帝)が争い合う時代となります。「三国」という時代名称は、この状態を指して言われるわけですね。
魏王朝では、初代皇帝となった曹丕が若くして病死しており、その息子(曹操の孫)にあたる
その時期を狙ったように、諸葛亮に率いられた蜀漢の軍が北上して魏の領土に攻め込みました。(孔明の
しかしそんな北伐を数度に渡って仕掛けた諸葛亮ですが、その度に魏の
余談ですが、当時の日本列島にあったとされる
さて、諸葛亮の侵攻を防ぎ切った司馬懿の存在によって、魏王朝の内部で司馬氏が強い影響力を持つに至ります。
この頃になると三国は良くも悪くも安定してしまい、小競り合いは何度もある物の、国境線を大きく変えるような戦いはほとんど起きませんでした。
そうした状況の中で、各国は内部での政争を起こすようになっていきます。
魏では司馬氏の影響力を恐れた反司馬派の内乱が続き、呉では年老いた孫権の後継者問題で国内が割れ、蜀漢もまた諸葛亮の後を継いで北伐を続けようとする
幾多の政争を勝ち抜いた司馬氏は、司馬懿から長男・
国内をとりあえず安定させた司馬昭は、何度も北伐を仕掛けてきた蜀漢に対して逆に攻め込んでいき、蜀漢の二代皇帝・
この時、蜀攻めを主導した
蜀漢が滅び、天下は魏呉の二国に絞られるわけですが、蜀の領土を飲み込んで勝ちがほぼ確定してしまった魏。
その中枢を司馬一族が占めていた事で、司馬昭の息子・
晋の初代皇帝となった司馬炎は、内政に力を注ぎ、民の暮らしの立て直しを図る名君でした。(この時点では……)
かつての曹操の意向で自分の一族(曹氏)に土地や権力をほとんど与えなかった事が、魏の皇室の力が弱かった原因だとして、自身の血縁者(司馬氏)の多くの者を王として各地に冊封しています。(この点は次の枠で、まぁ色々と……)
そうして国内を安定させていった司馬炎は、もはや国力の差では勝負にならない呉の討伐に乗り出します。
呉の第四代・
二十万とも言われる晋の大軍が東西から長江を渡り、呉は一挙に攻め滅ぼされてしまいます。
こうして三国時代を彩った魏・呉・蜀は、司馬一族による晋によって共に飲み込まれたわけです。
ここに後漢以来百年ぶりに天下が統一されたのでした。
しかし晋朝の苦難はこれから始まります……。
というわけで、次の時代枠「東晋・五胡十六国」へと移ります。
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