交換日記
虹のゆきに咲く
みずいろの夢
昭和56年
若草場中学校にて🍃
おい
見ろよ。
水菜ちゃんが通るぞ。
おお
可愛い。
こっちを向いた。
おい、幸樹
なんで隠れる。
いいよ。
なんだ、幸樹は恥ずかしいのか。
違うよ。
僕は幸樹、水菜ちゃんが好き。
ほんの、少しぽっちゃりだけど
ほんのね。
笑った顔がかわいい。
でも、どうやってきっかけを作ろうかな。
好きな人がいるのかな。
話しかけられないからな。
恥ずかしくて
そうだ
テレビで見たけど
バタンとぶつかって
大丈夫、君。
はい、大丈夫です。
大丈夫ですか。
あ、肘から血がでていますよ。
大したことはないよ。
ごめんね。
このハンカチで拭いてください。
大丈夫だよ。
いえ、じゃあ
私が拭いてあげます。
ありがとう。
僕は幸樹だけど。
私は水菜です。
よし、このイメージだぞ。
でも、カッターで・・・
先に少し肘を切っておかないと駄目か。
痛いかな。
痛いよね。
痛い・・・
少しだけでいいかな。
腕から血がすこしでていれば・・・
怖いな、痛いかな。
頑張れ。
痛い、少しだけど血がでた。
もしかして、ハンカチで拭いてくれるかな。
そこまでいけばいいな。
そうだ、これでいこう。
ここの角を通るから待ち伏せしてね。
来た。
よし、今だ。
あああ。
誰か横切った。
今日こそ
まだかな
来た。
駄目だ。
勇気がない。
今日こそ・・・
歩いてくる。
どうしよう。
よし
あ、ごめん・・・
いえ、大丈夫ですよ。
肩がわずかにに触れただけだった・・・
どうすればいいかな。
もう、ばったり偶然にという出会いがなくなったな。
恥ずかしかったな。
そうだ。
君、昨日はごめんね。
そう言ってみようかな?
なんていうかな。
覚えてくれていたらいいけど・・・
え、何がですか?
とか返事がきたら悲しいな。
友子、聞いて。
幸樹君とぶつかりそうになったの。
ええ、本当。
うん。
それでどうなったの。
普通に何もいえなかった・・・
そっか・・・
もっと大げさにぶつかればよかったな。
うん、そうね。
でも、よかったな。
届かない僕の想い
でも、僕の想いの中に
残ったな。
かすかな血だけしか残らなかったけど
でも、どうしようかな・・・
水菜さん。
すれ違う想い
どうして、ごめんなさいくらい言えなかったのかな。
そしたら、少し話せたかもしれないのに・・・
どうすればいいかな。
そうだ。
財布を落として
お金がバラバラってなって
大丈夫?
君、一緒に拾うから。
いえ、大丈夫です。
いい感じよ、水菜。
ほら、これかな。
ありがとうございます。
僕は幸樹。
君は?
私は水菜です。
いいな
いいな
そうしよう。
でも、どこで落とそうかな・・・
財布からどうやって??
そうだ。
学校の食堂でばったり
いいな
いいな
でも、恥ずかしいな。
みんないるし
友子に相談してみよう。
友子聞いて。
この方法ってどうかな。
いいかも、いいかも、水菜。
でも、友子
どうしてお金をバラバラにしよう。
そうね
私が水菜にあたってあげる。
そしたら
バラバラになるでしょ。
うんうん
そうしよう。
明日の食堂の支払い場でまちぶせしよう。
うん、それでいこう。
翌日・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます