第27話 ソシャゲにおけるシナリオライターの調整能力

ご存じの方が多いかと思いますが、ソシャゲは複数のライターによってシナリオが作られています。


自分が携わっているゲームではイベントが毎月開催されて、その度に複数のキャラが排出されます。イベントとは別にメインストーリーもあるわけですから、とてもでありませが一人で必要とされるシナリオを賄いきれません。


なのでメインライターを筆頭に、ディレクターのライター、そしてサブライターとチームでシナリオ制作に取り組んでいます。


だからこその弊害があり、そのためサブライターには調整能力が求められます。


基本、サブライターはメインライター、ディレクターのライターの指示に従いますが、その指示が承認されたプロット後に撤回されたり、変更になったりすることがあります。


だいぶ前のキャラストの話ですが、「〇〇というキャラは金儲けのためなら人を騙します。この設定に従い、キャラストを作成してください」と言われました。


自分はプロットを書き、ディレクターさんに提出し、OKが出たのでいざ執筆に入ろうとした直前、「すいません。〇〇はイベントにも登場することになり、そこではまっとうな性格の持ち主として活躍するのでキャラストのプロットもそのような感じで変更するようお願いします」とディレクターさんから言われました。


「なんじゃそりゃ…早く言ってよ」と思いましたが下っ端の自分がそんなことを言えるわけもなく「わかりました」と言ってプロットを書き直しました。結局、7割近くを変更しました…。


これはイベントを書くライターとキャラストを書くライターが違うからこそ生じる行き違いです…。でも嘆いても仕方ありません。チームでやらないとソシャゲは成り立ちませんし、好きなことでご飯を食べさてもらっているのですが、これくらいは耐えなくてはなりません。今なってはあるあるとして受け入れることができています。


つい最近でも同じようことがありました。


あるキャラストのプロットを作ってディレクターさんから「実は〇〇にはこういう家族背景があるため、恋人と結婚できないし、だから妻子持ちになる話は成立させることはできません」と後出しで裏設定を伝えられて、いい感じの家族話のプロットを書き直すことになりました。多分、叶わぬ恋の話になるのではないかと予想しています。


知らされていない設定や背景、またイベントシナリオ優先の事情のため、よいシナリオを思いついてもそれを調整しなくてはならないことが多々あります。これがソシャゲのシナリオライターに求められる大事な能力の一つだと思うのです。

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