三題噺.124:文化、泡、習う(120字)

 作家志望の妹が事故で失明して以来、私は彼女の辿々しい執筆を見守っている。文学を疎ましく思う私を必死に頼るあたり、よほど夢を諦めきれないのだろう。見放されればすぐ水泡に帰す脆い夢だというのに。それだけの理由で従う私に、妹は泣きながら感謝した。

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