三題噺.110:菊、マラソン、焼く

 今日で五百日目だ。幾度痛みを堪え手首を切っても、眼前の菊は応えない。毎夜菊の根に生血を注げば年に一度蕾に神童が宿ると聞いたが、所詮は伝説か。翌日、未練を断つべく菊を燃やすと、植物ならざる異臭が漂った。

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