三題噺.105:折り紙、タイヤ、出発②(140字)

 泣きじゃくる次女を連れて長女が私の病室に戻ってきた。失くしていた私への千羽鶴の一羽は、発進したよその車にかれたと長女が話す。そんな彼女も目を赤く腫らしている。こうも必死に想う娘達がいて、なぜ私は自分を諦めるのだろう?「ママが千羽目を折るわ」私が告げると二人の顔に晴れ間が覗いた。

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