三題噺.016:雷、塩、眠れる

 二人きりの食卓で、今日も父の雷が落ちた。私は言われるがままに追加のお酒と、冷蔵庫に残った塩漬けを運ぶ。いずれ無くなる味を噛み締めて、父は卓上に雨を降らす。母が永眠して以来、我が家の嵐は止まないままだ。

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