その140、別荘に行こう(11)

「おお、同志」

 赤ら顔をくしゃり崩して会釈する校長。一方で父はテーブルに突っ伏している。

「さっちゃんとのハーレムルートが……」

 ……意味はよく分からないけど、きっとろくでもないことに違いない。

「心配無用。会則第11条、相互不干渉。お互い、娘との親睦を深めることに集中しようじゃないか」

 と、小さな女の子がてとてと歩いてきた。

「パパー」

「おお、このちゃん!」

「トドやってー」

 途端に校長が床に寝転んだ。ぎょっとする周囲を尻目に、お腹の上にダイブする女の子。

「ぽよぽよだー」

「だろー」

 うん、なんというか目に毒だ。この学校にいてだいじょうぶなんだろうか。隣で寝転ぼうとしている父にチョップして、私はため息をついた。

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