その98、委員会に入ろう(7)
後攻のミカちゃんが舞台に上がる。そっと息をつくと、彼女はまっすぐ前を向いた。
「このたび、放送委員に立候補した
……ん?
「私は表現することが苦手です。大切なことを言おうとすると照れて言えなかったり、ついふざけたりしてしまいます」
おそらく原稿を覚えてきたのだろう、時につっかえながらも切々と言葉が紡がれていく。
「――そういうことを克服するために立候補しました。よろしくお願いします」
しん、と静まり返る教室。「あ」と声を漏らし、ミカちゃんがうつむいた。
「えっと……お願いします……YO」
違うそこじゃない。だけど。
ぱちぱちと誰かが拍手をした。負けじと私も手を鳴らす。やがて、教室中に拍手の輪が広がった。
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