【感謝4.7万PV超!】幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ

猫カレーฅ^•ω•^ฅ

01_幼馴染との別れ

「私、光山先輩に告白されちゃった。付き合っちゃおうっかなぁ」


「え?あ・・・そう。でも・・・僕・・・」


「あれぇ?誰かさんは告白もしていないでしょう?私たちは付き合ってすらいないのよ?」


「え!?」





その瞬間、僕はすごく恥ずかしくなった。

全てが恥ずかしくなった。





彼女の言うとおりだ。

僕は彼女に告白すらしていない。

それなのに、付き合っているような気になっていた・・・


これまで確かめるようなことすら思いつかなかった。


彼女の誕生日にと準備したプレゼントの指輪も、もうポケットから出すこともできなくなっていた。


これまで、彼女の僕に対する「好意」だと思っていた感情は、自分の勘違い、思い違い、思い込みだと分かってしまうと、その場にいる事すらできなくなってしまったのだ。

あるのは焼ける様な恥ずかしさ。

一刻も早く消えてなくなりたかった。



「ご、ごめん。お幸せに・・・」


「え?」




僕は逃げた。



なんて挨拶をしたのかも覚えていない。とにかく逃げ帰った。

彼女が後ろで何かを言っているような気もしたが、これ以上はもうやめて、オーバーキル過ぎるよと思った。




家に逃げ帰り、指輪はごみ箱に・・・捨てられなかった。


それなりにバイトして貯めたお金で買った指輪。

本当は彼女の16歳の誕生日の時に渡したかった。


ただ、彼女にふさわしい物を選ぶとなるとそれなりに高価だった。

それで、約1年半バイトして何とか買った指輪。


これをごみ箱にポイと捨てられるほど、僕の気持ちも指輪も軽い物じゃなかった。



家に帰ってからも何度も何度も同じことを考えた。

なぜ、彼女があんなことを言ったのか。


本当は告白してほしかっただけ、みたいな都合のいいことも考えてみたけれど、あの顔は本気の顔だった。


先輩と付き合うといった時の彼女の顔は、上気していて心から喜んでいるときの顔だった。

僕では彼女にあんな顔をさせることはできない。


完全なる敗北。

そもそも付き合っているという事すら否定されてしまった。

単なる独り相撲。

単なる妄想。


僕は、やらかしてた。

黒歴史だった。

それも、現在進行形の黒歴史。

最悪だ。

もう消えたい。



■葛西(かさい)ユージの視点

中野ウルハ(なかの)は、僕の幼馴染であり、小さい時からずっと一緒で、可愛い子だった。


彼女の家と僕の家は隣同士で親同士も仲が良く、冗談半分で将来子供たちを結婚させようという話もあった。

大人たちは酒も入っていたし、本当に半分は冗談だっただろう。


ただ、目の前にウルハもいた。

その場にいた上で、否定しているのを見たことがない。

それどころか、テレたように、少し嬉しそうにも見えた。

そのため、半分は本当だと思った。


ただ、それらは僕の主観。

勝手な思い込みだったかもしれない。




彼女は、中学の頃から髪を伸ばし始め、益々可愛くなった。

さらに、成績もどんどん伸ばし、生徒会にも入った。


教師から信頼され、生徒からは憧れられる存在となっていった。

そんな彼女は、高校生になっても生徒会に入り、2年のときの生徒会長選挙ではぶっちぎりの得票数で生徒会長にまでなった。




更に優秀な人材が生徒会に集まった。

彼女の人徳がなせる業と言える。

カリスマ性と言うべきか、引力と言うか、優秀な人間が彼女のところに集まる。


あれから、数カ月、生徒会の活動にも慣れ少し余裕が出てきたみたいだった。

僕は、どんどん成長し、活躍していく彼女が誇らしかった。

生徒会役員でもないくせに仕事を手伝ったりして、一番近くで彼女を支えることに誇りを感じていた。



そう、彼女の誕生日に呼び出されて彼女の家の庭で話を聞くまでは・・・


僕の家と彼女の家は隣同士なので、彼女の家の庭でよく話すことがあった。

庭の植木の一部はどけられ、庭からも行き来できる。

座って話すためのベンチも置いてあるほどだ。

僕は、あの日以来、あのベンチに座ることはなかった。



僕が失ったものは、彼女だけ・・・ではなかった。


『基準』を失っていた。


僕は、ウルハに依存していたらしい。

考えの根底にいつもウルハがいた。

行動の理由もウルハだった。


全てのことをウルハ中心に考えて、動いていた。

そして、今、その基準を失ったことで、僕は全てを失った。

全てが壊れた。


これから何を考えて、何をしたらいいのかも分からない。

少しずつ、間違いを正していかなければ・・・

とにかく不安な状態だった。




■中野(なかの)ウルハの視点

葛西(かさい)ユージは幼馴染だ。

良くも悪くも緊張しない関係。

お互いの事なら何でもわかる間柄だ。



最近の彼は髪も伸びていて、ボサボサという感じ、清潔感がなく、暗く、覇気がなかった。


それどころか、優しさも足りなく、会うのも生徒会の用事がほとんどになっていた。

休みの日に、こちらから会いに行っても、家にいないことが多く、別行動をとることが多くなっていた。


しかも、その生徒会では、最近仕事をよくサボっていた。

元々、少数精鋭の生徒会。

選挙に立候補した人のうち、得票数が多い人から、会長、副会長、書記、会計、役員合計10人が選ばれる。

それだけでは人数が足りないので、彼は最初のうち私の手伝いをしてくれていた。


そんな生徒会も数カ月もたてばみんな仕事に慣れてくる。

ユージは、仕事中にふらりといなくなったりして、戻ってこないこともあった。

それどころか、変な仕事を増やして全然効率的ではなかった。


正直、私たちの関係はマンネリ化していて、私は彼に魅力を感じなくなりつつあった。




そんな時、光山先輩に告白された。




光山先輩は、背が高く185cmもあった。

学校でも話題のイケメンで、バスケット部のインターハイにも出場した。

大学は有名大学に推薦が決まっていて、将来プロになるという話もある。



いつも冴えない月を見て過ごしていた時に、突然太陽を見たような強い衝撃があった。



一応、ユージに話をしてからOKしようと思った。

ユージの反応を見て考えようと思った。

ところが、ユージは逃げた。

所詮、その程度の男だったということか・・・




私は、光山先輩からのメッセージに、OKの返事を返した。



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■短編も書いてます。

よかったらこちらもよろしくお願いします。

もうね、5分で読めます。


最近仲良くしている可愛い子が俺に「ざまぁ」をしかける事実を偶然知ったけど好きすぎてOKした結果

https://kakuyomu.jp/works/16816927859895460250


コミュ障で何を考えているのか分からない幼馴染がスマホを持ったら考えてることをめちゃくちゃ伝えてきて俺を好きすぎてとてもかわいい

https://kakuyomu.jp/works/16816927859895383421

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