植物一覧
・アカボ
緑色をした丸い果実をつける野菜。カボと呼ばれる中で、食用に適するものをアカボと称する。主に温暖な気候で生育し、乾燥にも比較的強いため、各地で栽培が行われている。
酸味が強く生食には向かないが、火を通すと甘くなることから、煮物等を中心に様々な料理に用いられる。
・アンシュグーム
アッシュバレイに多く見られる樹木。
見た目にはあまり特徴の無い木だが、乾燥した火山帯に生育するため、広範囲に渡り深く根を張る特性があり保水能力も高い。
上述の特性としなやかな幹を持つことから、森林資源に乏しいアッシュバレイにおいては貴重な木材として扱われる他、光沢のある葉には薬効があり、傷薬として用いられることがある。
・アンプラト
背が低く非常に柔らかい植物で、草原を構成する主要な野草の1つ。見た目は豆苗に似ているが、そこから成長することはない。
草食性及び雑食性の動物が好むことから、牧草として用いられることが多い他、温暖期に咲かせる花からは良質な蜜が採れることから、群生地であるグラスヒルで養蜂が盛んな理由となっている。また、サラダとして食用にされることもあり、庶民には馴染みが深い。
茎が細く折れやすいことから、アンプラトのよう、という言葉が、細くひ弱な者、を指して使われることがある。
・カプペニヨ
黄色い果実をつける低木。乾燥帯が原産で栽培も行われている他、高山帯などにも自生することがある。
果実には強い辛味成分が含まれるため、香辛料として料理に用いられる。また、シューニャはこれを乾燥させて粉末状にした物を、チコハグの卵の殻に詰め、自衛用の目潰しとして使用していた。
・カーリヤ
タマネギに似た見た目の野菜。生育する地域によって大きく味が異なり、寒冷地では甘く、温暖地では辛くなる傾向が強い。ユライア王国やリンデン交易国では庶民食材として知られ、スープなどによく用いられる。
・ケイヤキク
独特の強い芳香を持つ野花。嗅覚に優れるキメラリアや野生動物が嫌うことから、この名前がついたとされる。
乾燥させた種子は特に臭いが強く、強い衝撃を与えると破裂して一層強く臭いを拡散させることから、キメラリア対策の自衛道具として用いられることも。ただ、種子が破裂した際の芳香は人間にも臭いと感じる程であり、人によってはアレルギー症状も引き起こすため、人間に全く無害とは言えないことから、あまり一般的ではない。
・コゾ
麦に似た背の高い植物。主要な穀物の1つであり、ユライアランドが最大の産地。
実を粉末状にした物は白パンや麺類の材料となる他、藁にも寝具や飼料、燃料など様々な用途が存在するなど農業製品としての価値が高い。
・ゴンサイ
寒冷地に生育する野草。
雪原や凍土における短い夏に、小さく葉を結球した姿が見られる。これは食用に用いられ、同地域に生息する野生動物や、寒冷地に居住するキメラリア・フーリーたちの重要な食料となっている。
葉は硬いため生食には不向きだが、煮詰めると柔らかく甘くなるため、スープの材料としての使用が一般的。
・コーワ
高原帯に自生する薬草。
葉を煎じた物が食あたり等に対する民間療法として知られる。また、種子を加熱するとチョコレートに似た淡い芳香を持つため、
・ササモコ
トウモロコシに似た植物で、乾燥帯における主要な穀物。
非常に背が高くなる他、土壌の水分が豊富だと緑色の葉をつけるのに対し、乾燥地域では茎が黒く染って一切葉をつけないまま生育し結実する特徴を持つ。ただ、土壌水分が欠如しすぎると病害虫に弱くなるという問題も抱えており、最大の産地であるノーリーフでは、近年の干ばつによって収量が減っている。
食材としては仄かな甘みを持つため生食も可能だが、ササモコパンと呼ばれる黒パンの材料等として用いたり、実を潰して塩と水を混ぜて捏ねた物をスープに入れて食するのが一般的。軽く炙ったり燻した物は長く日持ちするため、保存食や携帯食料として扱われる。
・サポッカ
円錐型をした青色の果実を実らせる低木。
比較的収穫量の多い果実として知られるが、気候や温度の管理が難しく、環境が整わないと結実しないため栽培は一般的ではない。
ユライア王国北東部に位置するウングペール地域の環境が適していることから、最大の産地として栽培が行われており、アチカ・ブランデーを初めとした果実酒やジャムなどが特産品となっている。
・シイラン
刺々しい果実を実らせる多肉植物。
砂漠地帯を中心に生育し、先端部に花をつけ果実を実らせる。未熟な果実は皮が固く実も渋みが強いため食用には適さないが、水分を多く含むことから、オン・ダ・ノーラ神国では重要な飲料として用いられる。一方、熟した実は皮が柔らかくなり、強い甘みとシャキシャキした食感を持つため、主に嗜好品として扱われる。だが、熟した実を食べるのは砂漠以外の地域であり、栽培が不可能で自生する種が僅かに見られるのみであることから、基本的に高価でほとんど庶民の口に入ることは無い。
・スイビョウカ
黄色い花をつける湿地帯の野草。
花弁を乾燥させると、嗅覚に優れたキメラリアにのみ感じられる芳香を放ち、酩酊状態にさせる効力を持つ。
ただ、群生地が無く滅多に見つからない貴重品である上、効果には大きな個人差があり、慣れれば相当香りが強くないと効かないと言われる程度なので、一般に流通することは稀。奴隷商人などが所持していることがある他、一部のキメラリアには嗜好品として用いる者が見られる。
・チニチク
現代における砂糖の原料となる、幹が細く背の高い針葉樹。温暖帯から亜寒帯にかけて広く分布するが、群生することは非常に珍しく、各地の樹林において疎らに生育することがほとんど。
幹に細い穴を穿つことで樹液を採集し、精製加工した物が現代における砂糖となる。1本の木から採れる樹液量はそれなりに多いものの、上述の理由から大量には見つからないため生産量が少なく、極めて高価な食品として貴族以外にはほとんど流通していない。
ユライア王国やリンデン交易国では栽培の研究が行われているものの、今のところ偶然以外の成功例はない。
・ツィクテラ
荒地に自生する多肉植物。
普段は乾燥した低木のような見た目をしているが、降雨などによって水分が得られると1晩程で急激に膨らみ、弾力のある肉厚な葉を大きく広げる。
この葉から外皮を剥ぎ取った果肉は、独特の芳香と薄い甘みを持つことから、主要な産地であるカサドール帝国では、ガムのような嗜好品として人気がある。ただ、畑に地植えすると土中の水分を奪ってしまうことから、鉢などで栽培されるのが一般的。
・トゥド
ユライア王国原産の植物であり、ジャガイモに似た果実を実らせる野菜。
寒い季節に結実する上、病害虫に強く収穫量も多いことから、ユライア王国では冬季の庶民食として親しまれている。俗説的に異性を引き寄せる効果が謳われることがあるが、そのような効能はなく完全な迷信に過ぎない。
・トライヴィーン
三角錐形の果実をつける褐色の豆類。温暖地域なら生育が可能で乾燥にも強いため、カサドール帝国領内を中心に栽培が盛ん。
実はそのままだと非常に柔らかく崩れやすいため、料理には潰したり乾燥させたものが用いられる。加熱すると甘味を持つことから、庶民向けの嗜好品として扱われることがある他、貴族向けの甘味として砂糖漬けにされることもある。
・パシン
樹林に見られる香草。
血行促進や体温上昇の効果を持つ薬草として用いられる他、独特の強い芳香を持つ葉が、薬味として料理に用いられる。
ただ、好き嫌いが分かれる食材であり、臭いと感じる者には忌避される傾向にある。
・ピルク
薄桃色をした果実をつける果樹。
リンデン交易国原産であり、果実が嗜好品であるため栽培が盛ん。虫害を受けやすいため、管理には手間がかかる。
桃に似た果実は苺程度の大きさしかないが、収穫量はそれなり。非常に強い甘み持ち、栽培地域では生食の他にもパイなどにして食される。
生では寒い時期でも腐りやすく保存が効かないという特徴を持つため、産地以外で生の果実を見かけることはほとんどなく、基本的には砂糖漬けなどの非常に高価な加工品のみが流通している。なお、産地以外における生の果実は、1つが銀貨1枚と言われるほどであるため、加工品も含めて庶民にはとても手が届かない高級食品とされる。
・メントッカ
様々な地域に生育する薬効植物。非常に丈夫であり僅かな水でも育つ。
葉が湿布に似た芳香を持ち、煮出すと独特の清涼感を得られることが知られるため、暑い地域で需要が高く、砂漠のオアシスなどで栽培が盛ん。
一方、キメラリアには特有の芳香を嫌う者が多いとされることから、カラーフラ教では神の薬草と呼ばれ珍重されてきる。
・ヨモジィ
高山に自生する野草。群生地が少ない貴重品。
精油は高価だが、虫に対する毒性を持つため、貴族の間で虫除けとして用いられている。また、精油を誤飲すると人体にも嘔吐や痙攣の症状を引き起こすため、注意が必要。
バイピラーやロガージョなど大型の虫を駆除することは不可能だが、強い忌避効果を発揮する他、付着させられれば動きを鈍らせられる。毒に弱いポインティ・エイトならば、燻煙によって駆除することも可能。
・リサン
黄色く丸い実をつける果樹。栽培されている以外にも、樹林の中に野生種が広く分布する頑丈な植物。収穫量が多いことも特徴。
果実は見た目、味の両面において梨に似るが、水分含有量は少ない。薄い甘みと柔らかい食感があり、果物の中では価格が安いことから庶民の嗜好品として親しまれている。また、常温で保存が効くため行動食として扱われることもある。
・リーヴィーン
各地で栽培される一般的な豆類。
見た目はインゲン豆に酷似しているが、種子はやや大型。生産量が多く病害に強いため、総じて安価であり主食とする地域も多い。
料理法は単純な塩茹でから、スープの具材や煮付け、潰した物を成形して利用するなど多岐に渡る。
・レッサービーツ
薄黄色をした根菜。見た目はカブに近く、どんな荒地でも育つと言われるほど頑丈な植物であり、町村の空き地や郊外の荒野部などで生産される。植え付けさえ行えば、その後はほとんど手間がかからず、短期間で収穫できるため、最も安価な食材として扱われる。
煮ても焼いても薄く切っても柔らかくならず、味も泥臭くて不味いことから、好んで食されることは無い。栄養価も低いため、顎を鍛えるのに最適とまで言われる始末。一方、青銅貨で購入できる『水っぽくてすごく不味いスープ』の原材料でもあり、貧困層にとっては貴重な栄養源となっている。
・レトクエン
緑色の果実を実らせる低木。水分を好み温暖気候で生育することから、ユライア王国やリンデン交易国でよく見られる。
果肉は毒性を持つため利用されないが、種子は油分を多く含んでおり、植物性食用油や石鹸の材料として用いられる。なお、石鹸は動物性由来の物よりやや高価だが、匂いがいいため庶民の間でも人気がある。
皮も爽やかな芳香を持つため、香水の原料として用いられることがあるが、嗅覚に優れたキメラリアにはこの匂いを嫌う者も少なくない。
その他にも、一部地域では枝を歯磨きに用いることで知られている。
・レーカ
リンデン交易国や司書の谷で主食とされている穀物。
高温多湿地域でよく生育する米に似た植物で、栽培には大量の水が必要であることから、多雨地帯以外での栽培はほぼ不可能とされる。
料理としては、豆類を混ぜて炊きあげるレーカ粥が一般的だが、近年では水分量を減らして炊いたものを、野菜と共に炒めて食することも増えているとされる。
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